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パトゥル・リンポチェの生涯と教え(124)

◎パトゥルの最後の人前でのガナチャクラ

 ザギャル僧院で、パトゥルはザチュカの人々のために、豪華な宴の供養祭の準備をした。ゾクチェン・リンポチェ五世、トゥデン・チョーキ・ドルジェを招待した。在家、出家、トゥルク(聖者の生まれ変わり)、ケンポ(学者)、そしてその付き人達、僧、尼僧、地元の人々――あらゆる人々が招待された。
 ラマ、僧、尼僧は、「ヴィディヤーダラの集会」という儀式を執り行なった。在家信者たちは寺院の周りを回り、五体投地をした。
 お茶、カード、トマと呼ばれる小さなサツマイモが、皆に給仕された。
 手の込んだ宗教的な供物が捧げられ、聖別されたものが数千人の群衆に配布された。
 吉兆な穏やかな雨が降り、空に虹が架かり、雷が鳴った。
 ある人々は、グル・パドマサンバヴァの姿が、山の尾根に沈む太陽の最後の光線の虹の輝きの中に現われたのを見た。

 一八八六年、パトゥルは、彼が生まれ、人生を通じて何度も滞在した場所であるカルチュン・コルモ・オルに戻った。信者たちはそこを、サムイェ寺院やカンリ・トゥカルと同等の聖地として考えている。
 この頃、パトゥルの振る舞いは変わりつつあった。彼は助言を求められると、もう一切の提案もせず、ただただ、「おまえにまかせる。一番良いと思ったことをやりなさい」としか言わなくなったのだった。

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