バクティの精髄(21)
「五種類のバーヴァ」
◎シャーンタ・バーヴァ
シャーンタ・ラサにおいては、バクタの心は叡智に満たされ、無感情になる。
これは、パラマハンサ・サンニャーシンや、最高位にあるジュニャーニによってのみ実践されるものである。
彼らの感情は静まり、彼らのすべての感情は神に溶け込んでいる。彼らは、神を直接的に知覚しているのだ。
自らの感情を支配下においていたビーシュマは、シャーンタ・ラサ・バクタの代表的な例である。彼は感情を湧き立たせることはなかった。彼は神の厳格なバクタであったが、感情の奴隷ではなかった。彼は感情の征服者であり、ジュニャーニであったのだ。
ジュニャーニだけが、シャーンタ・ラサを有している。
シャーンタ・ラサは、ブラフマン(絶対者)の特性である。
ブラフマンだけが、シャーンタである。
そして、ブラフマンを知るジュニャーニもまた、シャーンタである。
シャーンタ・バーヴァのバクタは、世俗の事柄に無関心であり、感情に左右されることは全くない。
シャーンタとは、シャーマ(心の平静さ)という意味である。
シャーンタ・バーヴァを実践するバクタは、アートマラマ・ムニ、あるいはタパッスヴィンと呼ばれる。
彼らは、ウパニシャッドなどの聖典、隠遁生活、神性の直観智、あるいは同じ性質を持つ者たちとの交際によって、シャーンタ・バーヴァを覚醒させる。
シャーンタ・バーヴァは、常に穏やかで、平静であり、外的な事象によってかき乱されることはない。
彼は自分の見解を強く持ち、他者の意見によって自分の意見を変えられることはない。
彼は、神の中で平穏に安らぎ、まるで波の立たない大海のように見える。
これらが、シャーンタ・バーヴァのバクタに見られるいくつかの性質である。