トゥンコルとトンラの修習
②:道を進む次第
道を進む次第には二つある。
1.トゥンコルとトンラの修習
2.道そのものの修習
1.トゥンコルとトンラの修習
トゥルコルとトンラの修習が堅固になれば、ナーディやプラーナの修習において、強い痛みが生じることはない。
また、もし痛みが生じても、このトゥルコルとトンラの修習により、痛みを消すことができる。
1-1 トゥンコル
①帰依と発心の詩句を唱える。
②グルを頭上に観想して祈願する。
③自分をヤブ・ユムのイダムとして観想する。
こののちにトゥンコルの実践に入る。トゥンコルの内容は、流派によって種々のパターンがあるが、ここではそのうちの一つのパターンを紹介する。
(1)壺のようにいっぱいにする
(2)車輪のように旋回する
(3)鉤のようにひっかける
(4)金剛縛の印を振り上げて、下に振り落とす
(5)雌犬の吐き方によって矢のようにまっすぐにする
(6)頭と体を動かして関節を柔軟にする
一連のトゥンコルは、満腹時に行なってはならない。
トゥンコルは、身体やナーディが柔軟になるまで行なう。
(1)壺のようにいっぱいにする
①蓮華座を組んで、背筋を伸ばして座る。両手は膝に置く。
②顔を左に向け、右鼻から息を吸う。
③ゆっくりと息を吐く。
④顔を右に向け、左鼻から息を吸う。
⑤ゆっくりと息を吐く。
⑥顔を正面に向け、両鼻から息を吸う。
⑦ゆっくりと息を吐く。
⑧②~⑦を、あと2回繰り返す。
⑨両手の親指を内側に入れてこぶしを握る。
⑩両鼻から息を吸い込み、臍下に気をおろす。同時に肛門を引き締める。
⑪臍のチャクラの中心に意識を集中し、できるだけ長く息を止める。
⑫苦しくなったら、音を立てずに唾を飲み込み、さらに息を止める。
⑬両鼻から息を吐く。
これは「壺の呼吸法」と呼ばれる呼吸法の一つであるが、トゥンコルを行なう場合は必ず最初にこれを行なうから、トゥンコルの一番目として数えられているのである。
呼吸は必ず鼻を使う。口を使ってはならない。
(2)車輪のように旋回する
①蓮華を組んで、背筋を伸ばして座る。
②右足の親指を右手でつかみ、左足の親指を左手でつかむ。
③腰を右に三回、左に三回、回す。
④上体を左右に倒す。
⑤上体を前後に倒す。
(3)鉤のようにひっかける
①両手を金剛拳にする。
②胸の前で両こぶしを合わせる。
③胸の前にまっすぐにのばす。
④そのまま両手を左の方にもっていく。
⑤弓を引くように、右こぶしを右肩の方に持ってくる。右ひじは右わきにつける。
⑥再び胸の前で両こぶしを合わせる。
⑦③~⑤を、腕を逆にして繰り返す。
(4)金剛縛の印を振り上げて、下に振り落とす
①膝立ちになる。
②両手のそれぞれの指を外側から組み合わせる。
③ゆっくりとそのこぶしを上に上げていき、天に強く伸ばす。
④ゆっくりとそのこぶしを下におろしていき、床にこぶしをつけ、床を強く押す。
(5)雌犬の吐き方によって矢のようにまっすぐにする
①四つん這いになる。
②息を吸いながら腿を床につけ、顎を反らせ、体を矢のように大きく伸ばす。
③首を前に曲げ、「ハーッ」と息を吐く。
④立ち上がり、左右三回ずつ、足を振る。
(6)頭と体を動かして関節を柔軟にする
①手の指を一本ずつ引っ張って関節を伸ばす。
②全身の関節をゆする。
③両手を合わせ、激しくこすり合わせる。
1-2 トンラ
「生起次第」で述べたように、自分がイダムであることを観想する。
頭頂から足の裏まで、全身が膨らんだ風船のように空っぽであると観想する。
身体が空っぽであるという認識が堅固になるまで続ける。
-
前の記事
2-2:究竟次第 -
次の記事
◎「ナーローの6ヨーガ」そのものの全体像