デーヴィー・マーハートミャ 六つの付属書③「釘(キーラカ)」
六つの付属書③「釘(キーラカ)」
聖仙はこう言った。
『清らかな叡智をその身体とし、三つのヴェーダをその聖なる三眼とし、
至福に到達する因である、ウマーを半身とするお方(シヴァ)に敬礼あれ。
さまざまなマントラをとどめる最高の釘、そのすべてを知れ。
常にマントラや賛歌等に専心する人は、安穏を得、
さまざまな目的も成功する。
しかしその中でも「デーヴィー・マーハートミャ」を唱えて女神をたたえるならば、それは最高の効力を持つ。
しかしもし「デーヴィー・マーハートミャ」がすべての望みをかなえるなら、
他のマントラ等は必要がなくなってしまうではないかというこの世間の疑念を知り、ハラ(シヴァ)は、
さまざまなマントラや賛歌等のすべてが果報をもたらすように、
彼は、この「デーヴィー・マーハートミャ」を秘密とした。
また、この「デーヴィー・マーハートミャ」を唱えることの果報には際限がないので、彼は次のような制限を設けた。
黒分の八日目か十四日目に、
全財産を女神にささげ、「デーヴィー・マーハートミャ」を唱えるならば、疑いなく、
その人は全き安穏を得る。それ以外のやり方では女神は満足しない。
このような釘で、大神シヴァは、「デーヴィー・マーハートミャ」を封じた。
しかしこの「釘」を読むことで、その釘を抜いてから、「デーヴィー・マーハートミャ」を絶えずハッキリと唱えるならば、
彼はシッダとして、神の眷属として、またガンダルヴァとして、女神の庇護のもとに生まれる。
どこを旅しようとも、彼にはこの世のどこにも危険はなく、
死後は輪廻から解放されるだろう。
このことを知り、初めにこの「釘」を読むことで釘を除去してから、「デーヴィー・マーハートミャ」の読誦を行なうべし。
女性における幸福などは何であれ、
それはすべて女神の恩寵による。女神の恩寵によって、すべてのマントラや賛歌等は果報をもたらす。
全き権力、幸福、健康、繁栄、敵の破滅、究極の解脱が、その恩寵によってもたらされる、
そのような女神を、どうして人々が讃えずにいられようか。』
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