yoga school kailas

スワミ・プレーマーナンダ「信者への愛」(1)

 プラナヴァーナンダはこう言った。

「シャリカーのパンチャナン・ゴーサルは、昔からの信者だ。ある日、彼がマトへ来て礼拝を捧げたとき、バブラム・マハラジは彼の幸福についてお尋ねになった。

『わたしが何を言うことができましょう? マハラジ。ちょうど先日、娘が結婚しまして、今、娘の夫は医者が匙を投げるほどの重い病気にかかっております。』

とパンチャナンは答えながら、ずっと涙をぬぐっていた。

 バブラム・マハラジはとても真面目になられ、少しあとで仰った。

『勇気を失ってはいけない。翌朝再び来なさい。』

『何が起きるというのでしょうか? マハラジ。』

 彼は尋ねた。しかしバブラム・マハラジはこうお答えになられた。

『いいから明日また来なさい。』

 翌朝、彼はタクルへの礼拝を行なわれ、小さな銅の容器にチャラナームリタ(御足を洗った水)をお注ぎになられたあと、階段を下りてこられ、パンチャナンに仰った。

『これから君の娘婿のもとへ行こう。』

 バブラム・マハラジは裸足で、また上半身も裸で、肩にはチャダルをおかけになっていた。彼らはバラナゴル行きのフェリーボートに乗ってガンガーを渡り、そこから徒歩で向かった。病室に入ると同時に、バブラムはしばらくの間、しっかりと彼に目を向けられた。彼はそれから、意識を失った男性の口の中に少量のチャラナームリタを注ぎ、その残りを彼の頭と体の上にふりまかれた。そのときからその病人の健康状態は回復し、完治するまでに至ったのだった。

 この出来事に先立って、スワミジは郵便局長か駅長の息子の死について耳にし、バブラムにこう仰っていた。

『もしラカールか君がタクルの礼拝を行ない、タクルの聖なるチャラナームリタを彼に与えたなら、その少年は死ななかっただろうに。』

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする