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ジグメ・リンパの生涯(5)

 彼は、トゥルティク・ゴンパ・ラントゥルを基にして、生起と完成の瞑想に没頭しました。彼はその鋭い集中力のおかげで、指を鳴らすようなほんのわずかの時間でさえ瞑想において散漫に陥ることはなく、心を守ることができました。また、ロンチェン・ラプジャムによる『7つの宝蔵』を読むことによって、彼の内的な瞑想経験に関する一切の疑問は晴らされました。
 
 彼は、成就の段階を通じて進歩していくにつれて、身体と心における数多くの成就のサインを経験しました。彼はグル・リンポチェ、イェシェ・ツォギャル、マンジュシュリーミトラ、ならびにフームカラを含む多くのラマたちや神々のヴィジョンを目にし、そしてそれは彼の様々な内的な智慧を目覚めさせました。
 
 あるとき、突如として彼は、自分の内にある一切の心の経験に関するポイントが根絶されことに気づき、自分のカルマ的なエネルギーのプロセスを支配する力を獲得しました。一切の迷妄の現れの洞穴(例えば対象、つまり概念的な心の働きが二元的な輪廻の構築するのを手助けをするもの)が完全に崩壊しました。覚醒した力強い悟りによって、彼は数多くの過去生をはっきりと見ることができました。しかしそれらの一切の経験とヴィジョンは、彼の悟りの心の中で一つになりました。

 ヨーガ的な修行によって彼は、気道、エネルギーならびにヴァジュラの身体という神秘的な実体をコントロールする力を得ました。結果として彼の喉は“富の循環”の教えとして開き、彼の身体的なチャクラは“種字の雲”に変化しました。一切の現象的な現れは、“ダルマのサインや仕草”に変わりました。彼の言葉は、深遠な悟りの歌となりました。教えの現象化という言い表せない大海が、彼に向って放たれ、また彼から放たれました。

 それから、彼の最初の主要な著書であるキェンツェ・メロン・オーセル・ギャワ、つまりラマ・ゴンドゥ・サイクルの解説書を書きました。

 あるとき、グル・リンポチェがヴィジョンの中に現れ、彼にペマ・ワンチェンという名を与えました。また、あるヴィジョンの中では、マンジュシュリーミトラが彼に祝福を与え、それによって彼は象徴的な叡智の意味を悟りました。その後、彼は栗色の僧衣から苦行者の着る自然な格好、つまり着色していない白のローブと、切らずに伸ばした長髪に変えました。

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