シュリー・チャイタニヤ・マハープラブ(31)
【ヴァッラバ・バッタの慢心をくじく】
その日々の中で起こったその他の注目すべき出来事は、ヴァッラバ・バッタ(アーチャーリヤ)の慢心の鼻を折り、改心させたことです。
ヴァッラバは、主にバーガヴァタの教えを基にしているプシュティ・マルガの創始者として広く知られていました。
彼はいつかアラハバードでチャイタニヤと会ったことがあり、彼の信仰の熱意を大いに称賛していたのでした。
よって、チャイタニヤにプリーで会うと、ヴァッラバは恭しく敬意を表しました。
チャイタニヤはすぐに、バッタはヴィシュヌの偉大なる信者ではあるが、学識に関して強烈なプライドを持っており、神は彼の学識への慢心をくじかせるために、ここに彼を送られたのだと理解しました。
そこでチャイタニヤはまず、非常に謙虚に、自分は説法するほど十分に学んでいないということをバッタに告げ、何人かの弟子たちに彼を紹介しました。
そして次の日に、アドワイタ・アーチャーリヤをはじめとした学識あるヴィシュヌ派信者たちの集会が招集され、バッタはヴィシュヌ派の光輝に非常に感銘を受けた人物であると紹介されました。
続いてすぐに山車祭が行われ、チャイタニヤとその弟子たちは、素晴らしいキールタンと信仰の踊りを行いました。
バッタは、それらすべてを見たり聞いたりしている間、まるで魔術をかけられたかのように釘付けになっていたのでした。
そして次に、彼はチャイタニヤのところに行き、自分はバーガヴァタの注釈を書いたから、その一部分を彼に読んで差し上げたいと言いました。
チャイタニヤは、自分はそのような深遠なる書物を理解する能力がないのだと言い、彼をアドワイタ・アーチャーリヤのもとへと差し向けたのでした。
そしてバッタは頻繁にアドワイタのもとへと行き、自分の注釈を彼に読み聞かせましたが、アドワイタは彼の文書を侮辱し、いくつかの誤りを指摘するなどして、いつも冷たくあしらいました。
ある日、バッタはアーチャーリヤにこのように意見を述べました。
「気高き生まれの者に許された慣習によれば、妻は一切夫の名を呼んではいけないことになっております。
あなたの哲学によると、クリシュナはすべての者の夫であると説かれていますが、あなたは彼の御名を唱えることを推奨していますね。それは不条理ではありませんか?」
アーチャーリヤは答えました。
「やれやれ。クリシュナはすべての者の夫であります。そして彼は彼の妻であるわれわれ皆に、ご自分の御名を唱えるよう、バーガヴァタで命じているではありませんか。
貞淑な妻は、夫の命令には背かないはずですよ。
よってわれわれは、クリシュナの御名を唱えるのです。」
彼にとってこの出来事は、まるで彼のプライドという蛇の頭に強烈な一撃がくだされたかのようでした。
また別の折、バッタはチャイタニヤに、自分のバーガヴァタの注釈は著名な学者であるシュリーダラ・スワミの解釈とは全く異なっており、彼の教えを論破したことがあるのだと自慢してきました。
チャイタニヤは「スワミ」という言葉にかけてこう言いました。
「スワミ(夫)に従わない妻は、売春婦に値するのです。」
これらの出来事は、バッタを正気に戻しました。
彼は反省し、チャイタニヤのような聖者の前で学識を誇るような態度をとった自分の愚かさを理解したのでした。
そして次の日、彼はチャイタニヤの前に行き、偽りのない謙虚な態度で礼拝し、チャイタニヤの御足を自らの頭の上に置こうとしました。
チャイタニヤは彼を止めて、こう言いました。
「あなたは学者であり、同時に信者だ。
それら二つの性質があるときには、プライドはあってはならないのです。
しかし、あなたはシュリーダラ・スワミを蔑んで注釈を書いたとおっしゃいましたね。
私はシュリーダラ・スワミを通じてバーガヴァタを学びました。
彼は世界のグル――私のグルです。
シュリーダラに反して書いたあなたの注釈は、ただの骨折り損でしかない。あれは誰にも認められないでしょう。
よって、彼に倣って注釈をお書きなさい。
プライドを捨てて、主クリシュナを愛しなさい。そうすれば、あなたはすぐにクリシュナの御足に到達するでしょう。」
バッタはそのときから、少年の姿のクリシュナの崇拝者となりました。
そして、師の許可をとって、ガダーダル・パンディタからマントラのイニシエーションと、マドゥラ・バーヴァにおける少年のクリシュナを礼拝するための儀式を受けたのでした。