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サーダナの指針の花輪(1)

サーダナの指針の花輪

 スワーミー・シヴァーナンダ

翻訳&アレンジ:松川慧照

1.
 心が鈍いときは、神への賛歌を歌うことによって、心を目覚めさせなさい。
 心が散漫なときは、プラーナーヤーマ、礼拝、瞑想によって、寂静に戻しなさい。
 心が何かに執着しているときは、平等心と識別智によって、執着から心を引き離しなさい。

2.
 世俗の会話をやめなさい。
 煩悩的な話をすることによって、心は煩悩に傾倒する。
 常に、神聖な事柄と神についてのみ話しなさい。
 常に、源に帰りなさい。
 永遠の至福を達成しなさい。その源は、絶対なるパラーブラフマンである。

3.
 あなたが神の悟りを得たいならば、手に負えない感情のコントロールは、最も重要である。
 一時的な感情を、自分自身と同一視してはいけない。
 この「感情と自分自身を同一視しないこと」によって、とらわれのない心は達成されるだろう。

4.
 外的対象に引きつけられることがなくなるとき、あなたは平和に至る。
 思考はしっかりと安定したものとなり、素晴らしい集中力を得る。
 

5.
 このようにして集中力が高まることによって、あなたは神のような意志力を得る。そしてあなたはもはや、あなたの体、妻、子供、資産、故郷など、経験から生じる様々な執着の対象に対して、とらわれることがなくなる。

6.
 愛著と嫌悪と迷妄は、悪と苦しみの根源である。
 世界のすべての無常なる対象を、取るに足らない泡のようなものであると見なす賢者たちには、困難や苦しみは、何の影響も及ぼすことはない。

7.
 無執着とは、我々が縛り付けられているものから、我々自身を解放することである。
 無執着による自由とは、執着からの自由である。
 地上のつまらないことや、人生の喧騒や混乱などから自分を引き上げて、常に神のことを考えなさい。

8.
 聖者や賢者たちは、長い修行と激しい苦闘を通して、世間の人々が理解することのできない真実を悟り得た。
 よってあなたも、休まずたゆまず熱心に修行に取り組み続けなさい。

9.
 ヨーガ修行によって、あなたの人格は強化される。それによってあなたは、どんな状況に陥ったとしても、正々堂々とそれらに立ち向かい、誠実にそれらを解決していくことができるだろう。

10.
 絶えず主を念想して、絶えず主の御名を唱え続けるならば、あなたの心は、サットヴァ、清らかさ、計り知れない強さ、そして平和で満たされる。
 そしてそれによって、たとえ人生における最も辛い状況に直面したとしても、あなたは完全な平静さと安らぎを保ち続けることが可能となるだろう。

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