ゴーラープ・マーの生涯(5)
ゴーラープ・マーはラーマクリシュナの主要な女性弟子の一人であり、師にたびたびの個人的奉仕をする機会を与えられた人でした。師に食事を運ぶ役割だけでなく、ゴーラープ・マーは師の部屋の掃除もしていました。それ以外では、ときどきホーリーマザーの食事や家事の手伝いをしていました。ほかの女性たちよりも少し年上だったため、ゴーラープ・マーは師や若い男性弟子たちと非常に自由に接していました。彼女とラーマクリシュナとの関係は、頭ではなく、心を通じてのものでした。
後にゴーラープ・マーは、こう言いました。
「師の恩寵によって、生きた理想神を見ました。最初に師にお会いした後、わたしはしばらくの間、師に似た小さな男の子と一緒にいました。」
真夜中のドッキネッショルで、師が恍惚状態の中、部屋を行ったり来たりするのを見た日には、ゴーラープ・マーはその場所で母なる神を見て、恐れおののいたのでした。
ゴーラープ・マーがたびたびドッキネッショルを訪ねるようになってから、カルカッタの信者たちは、フルーツや食べ物、その他の供物を、師に捧げるためにゴーラープ・マーに持たせるようになりました。
あるとき、バララームの娘のブーヴァンが師のためにジャムラルというジューシーな果物を買い、ゴーラープ・マーにそれをドッキネッショルへ持っていくよう頼みました。その果物がけがれていないかどうかを訝しがったゴーラープ・マーは、最初はその頼みを断りました。もし清くない食物または不純な人によって触られた食物ならば、師がそれをお召しにならないことを、ゴーラープ・マーは知っていたからです。しかしブーヴァンに説得されて、ゴーラープ・マーはドッキネッショルへその果物を持って行きました。すると、彼女がドッキネッショルに到着するや、すぐさま師はそのことを尋ねてこられ、喜んで召しあがったのでした。
また別のある日、スワミ・プレーマーナンダの母親がチャンドラプリ(ケーキの一種)を作り、ゴーラープ・マーに、師へ持っていってくれるようお願いしました。しかしゴーラープ・マーは、ケーキが少し焦げていたことに気づき、それを持っていきませんでした。その後、師は彼女に何か食べ物はないのかと尋ねてこられ、ゴーラープ・マーは何も持って来なかったことを深く後悔しました。
-
前の記事
ゴーラープ・マーの生涯(4) -
次の記事
ゴーラープ・マーの生涯(6)