ゴークラダース・デイとM(2)
数日後、私は再びMを訪れた。彼は、「シュリー・シュリー・ラーマクリシュナ・コタムリト」の第4巻の原稿を準備しておられた。小さな古紙を何枚か手に持って読み上げており、若い信者がそれを書き取っていた。
歌の箇所に来た時、Mは読み上げるようにその歌を歌われた。彼は続けられた。
「ケダーを一目見ることで、師の心にシュリー・クリシュナのヴリンダーヴァンの物語を思い起こさせた。神への愛に酔い、ケダーに話しかけ、師は立ち上がって歌われた。
友よ、教えて 私の愛しきクリシュナが
住んでいるあの森はどこにあるの?
彼の香りはここにさえ届く
しかし、私はもう疲れて歩くことができない。」
Mはこの歌をキールタン調に歌われた。なんとも美しい声だと私は思った。書き取りが終わったとき、Mは仰った。
「ああ、私はいまだかつてスワミジのような美声を聞いたことがない。しかし師の声は、彼のよりももっと素晴らしいのだよ。」
私はMに、コタムリトを何巻まで執筆なさるおつもりですかと伺った。Mはお答えになった。
「師がお望みであれば、8~10巻になるでしょう。」
彼は私に尋ねた。
「あなたは瞑想しますか? ウドボーダンに行きますか?
ベルル僧院を訪れて下さい。――そこは師の軍勢の砦だ。飢饉、伝染病、洪水があるときにはどこへでも――これらの僧たちはそこへ赴いて戦うのだよ。自然災害から人々を救うために。
彼らが怠惰な生活を楽しんでいるなんて思ってはいけないよ。まず初めに、人はジャパと瞑想を孤独に行うことによって、神を悟るべきだ。そして次に、他者のために自己の人生を捧げるべきなのだ。
金と性欲を放棄することなしに、神を悟ることはできない。そのためにスワミジは放棄の理想を掲げ、ジャパと瞑想のためにヒマラヤに少年たちを送った。ベルル僧院の僧たちは、たくさんの霊性の修行を実践していた。あなたも彼らの仲間になるべきだよ。」
私は彼の話に静かに耳を傾けていた。
私は心密かに、「シュリー・シュリー・ラーマクリシュナ・コタムリト」の口述筆記の書き取りをさせていただきたいと思っていた。そしてその願いを打ち明けると、Mはそれを許可して下さり、また別の日に来なさいと仰った。
数日後、私はMを訪れ、「シュリー・シュリー・ラーマクリシュナ・コタムリト」の1ページを書いた。Mはそれを真剣にゆっくりと口述し、30分掛けて1ページを仕上げられた。
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