クンサン・ラマの教え 第一部 第一章「自由と縁を得ることの難しさ」(5)
五つの誤った覚え方
言葉だけを覚えて、意味を忘れてはいけない。
意味だけを覚えて、言葉を忘れてもいけない。
言葉と意味は覚えているが、理解していないというのもいけない。
順序を間違えて覚えてはいけない。
間違って覚えてはいけない。
言葉の深い意味を分析しようとすることなく、優雅な言い回しを過度に重要視してはいけない。それは子供が花を集めているようなものであり、言葉だけでは心に何の利益ももたらさない。
一方で、教えがどのように表現されているかを軽視し、それはただの言葉に過ぎないと考えてもいけない。たとえ甚深な意味を理解していたとしても、表現する手段を見失ってしまい、言葉と意味のつながりを見失ってしまうことになる。
教えの段階を理解していなければ、教えの言葉が、方便であるのか、本当の意味であるのか、間接的な意味であるのか混乱し、本当のダルマから外れていってしまう。
順序を間違って覚えてしまえば、教えの正しい連なりを乱してしまい、教えを聞いたり説明したり瞑想したりするたびに、混乱は倍増してしまう。
説かれたことを間違って覚えてしまえば、誤った考えはやむことなく増大し、心は腐り、教えは劣化する。
以上のように誤ることなく、すべての言葉、意味、教えの順番を、正しく誤りなく覚えなさい。
どれだけ説法が長く難しくても、うんざりしたり、いつ終わるのかと思ったりせず、教えを覚えなさい。逆に、どれだけ短くて単純であっても、ただの初歩的な教えであると見下してはいけない。ゆえに、言葉と意味を正しい順序と正しい文脈で、完全に覚えることが必要不可欠である。