yoga school kailas

カンカリパ

 カンカリパは、マガフラの地の身分の低い世帯主でした。

 彼は同じ階級の娘と結婚しました。彼は家庭で感覚的な楽しみを味わって、この世のことだけに気を使い、心をわずかでさえも、解放の道に向けようとはしませんでした。
 それから彼の妻のカルマが熟し、亡くなりました。彼は妻の遺体を死体捨て場に運びました。しかしそこから離れることができず、死体のそばにとどまっていました。

 物事をよく理解しているヨーギーが、彼のところへ来て、聞きました。
「あなたは誰ですか? 死体捨て場で何をしているのですか?」

 世帯主は答えました。
「ヨーギーよ! わたしのこのありさまが見えませんか。目の前は真っ暗です。妻と別れて、わたしの幸せは終わりました。世界中わたし私より哀れな者が誰かおりましょうか?」

 ヨーギーは世帯主に語りました。
「生ある者の終わりは死である。出会いの終わりは別れである。原因と条件によって作られたものはすべて無常である。輪廻に生まれたものすべてに苦しみがある。ならば、苦しみを本性とする輪廻に対して、あなたは失望しないのか。土と石のような死体を守って、何が成し遂げられるでしょう? あなたは真理の法によってのみ、苦しみを終わらせることができるのです。」

 「もしわたしをこの世の生と死の苦悩から解脱させる方法があるのなら、わたしにそれを授けてください!」
 「そこから解脱する方法、すなわちグルの教示をわたしは持っている。」
 「ではそれをお教えください。」

 ヨーギーは世帯主にイニシエーションを与え、無我の本質について彼に教示を授けました。

 「どのように観想するのですか?」
 世帯主が聞きました。
 「あなたの死んだ妻という分別を捨て、無我なる妻を、楽と空が結合したものとして観想せよ!」
とヨーギーは答え、そして世帯主に瞑想させました。

 六年が過ぎ、ついに世帯主は、彼の妻という普通の分別を脱ぎ捨て、空と楽の性質の中に消失させ、自分の心のけがれを清め、輝きである素晴らしい大楽を体験しました。そのとき世帯主は、あたかもサンザシの実の毒を清めて狂気から目覚めたかのように、無明の狂気の毒を清め、正しい真理の意味を観察し、成就を得ました。

 世帯主はすべての方角でヨーギー・カンカリパとして知られました。彼は自分の土地マガフラで多くの人々に真理の法を説き、実にこの身体を持って、ダーカの領域に行ったのでした。

 師カンカリパの伝記、終わり。

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