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カル・リンポチェの生涯(10)

◎カル・リンポチェ、トゥルクを見つける

 あるときカル・リンポチェは、ラサの近くにあるセラとデプンの二つの偉大なゲルク派の僧院に、教えやアビシェーカを授けるために招かれた。セラ僧院では、ゲルク派の最高位のラマであるモチョク・リンポチェとトーメー・リンポチェに招かれ、何百人もの僧たちにアビシェーカを授けた。

 ツァン省を巡礼していた時期に、彼は、彼の元にやってくる三人の子供の夢を見た。

「わたしはツルティム・ゴンポのトゥルクです。」

と彼らのうちの一人が言った。

「そして、この二人はカルマによって結ばれた友です。しかし今、わたしはいくつかの障害に直面しています。」

「これらの障害について心配することはありません。」

とカル・リンポチェは答えると、夢の中で、その子に頭蓋骨の碗とナイフを与えた。

 数日後、彼は巡礼を続けていると、村の子供が遊んでるのを見かけた。その子供は夢で見た子供によく似ていて、同じく二人の友人を伴っていた。この子供はカル・リンポチェに会えて喜んでいる様子で、自らすすんで話しかけてきた。カル・リンポチェは夢の中で抱いた感覚を確かめると、目の前にいるのはあの優れた子供であると理解した。

 やや遅れて、カル・リンポチェは、キュンポ・ネルジョルによって建立された僧院であるシャンシュン・ドルジェデンに赴いた。この僧院は当初、シャンパ派の系統に属していたが、のちにゲルク派の僧院となった。そこはこの数年の間に死去したデプンのゲシェによって管理されていた。僧院長はそのゲシェの生まれ変わりを探すことに多大な努力を費やしたが、無駄に終わっていた。すでに彼はかなり年をとっており、ひどく疲れ果てていた。
 カル・リンポチェが彼の元を訪れたとき、秘書は彼にこう告げた。

「あなたはシャンパ派の系統の代表者であられます。そして現在、ゲルク派の系統に属するこの僧院を、かつてシャンパ派の系統が占めていたというのも事実です。しかし、われわれはゲシェの生まれ変わりを見つけることができず、わたしにはもはやそのような気力もありません。あなたが到着して以来、この僧院をあなたに譲渡することが望ましいと確信していました。どうぞ、引き受けてください。わたしはもはや管理することはできません。 」

 カル・リンポチェは、この一連の状況がとても喜ばしいものであると見なした。夢により啓示され、シャンパ派の系統の保持者の一人であるツルティム・ゴンポのトゥルクと出会った。それに続いて、僧院が賦与されようとしていた。このようにして彼は、子供の家族(偶然にも裕福な家庭であった)を見つけ出し、夢の啓示を明らかにすると決めた。一家はゲルク派の系統であったにもかかわらず、父母はカル・リンポチェに絶大なる信を持っており、自分たちの息子がトゥルクであるという知らせを受けて喜んだ。カル・リンポチェは彼が受け継いだシャンシュン・ドルジェデンの僧院にその子を置くことを提案した。それは同意され、しばらくしてからその子は僧院に導かれ、即位した。のちに彼はカル・リンポチェから、シャンパ派の伝導の全てを受け取ったのだった。

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