イエス・キリストの生涯(2)
◎赤ん坊のイエスに向けられた神の守護
天使たちは賢者たちに、イエスの居場所をヘロデ王に教えないように警告しました。ゆえに賢者たちは、再びヘロデに会わない帰路を辿ったのでした。
このようにして、ヘロデはその邪悪な野望を挫かれました。そこでヘロデは、ベツレヘムの二歳以下の子供をすべて容赦なく皆殺しにするように命令を下したのです。王の手下たちは、その指令を躊躇なく実行に移しました。そして数千人の赤子がたちまちのうちに殺され、天の主の蓮華の御足のもとに送られました。しかしヨセフとマリアは、迫りくる危難を天使たちから前もって知らさせていたために、主イエスを連れて、ヘロデの管轄外であるエジプトへと逃げたのでした。
彼らは、天使たちが再び目の前に現われてヘロデ王の死を告げるまで、しばらくエジプトにとどまっていました。
そしてその後、生まれ故郷に戻ったヨセフとマリアとイエスでしたが、ヨセフが、ユダヤを支配するヘロド王の息子の近くは安全ではないと思い、三人はナザレへと向かいました。
救世主・天の光の化身・神の子イエスは、ナザレで、敬虔な両親の元で従順な子に育ち、ヨセフから大工仕事を学びました。後に人生において十二人の偉大なる使徒を形成し、来たるべき未来に、地上の無数の人々と国の運命を作る神聖なる師は、 大工の仕事を学びながら、木材から道具や家具を作ることに精を出していたのでした。