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アディヤートマ・ラーマーヤナ(20)「ヴァールミーキーのアシュラムにおけるラーマ」

◎ヴァールミーキーのアシュラムにおけるラーマ

 翌朝、沐浴と朝の儀式を終えると、聖仙はヤムナーの岸への道をラーマに教えた。聖仙の何人かの弟子たちと共に、ラーマはチトラクータ山に向かう途中のヴァールミーキーの庵があるヤムナーを渡った。そして彼は多くの聖者たちが住んでいるその庵に到着した。
 その庵は動物や鳥たちで溢れ、そしてそこには果物や花のたわわなる木々が生えていたのだった。そこでラーマとシーターとラクシュマナは聖仙ヴァールミーキーと出会い、彼に礼拝した。
 ラクシュミーのコンソートであり、最も美しき御方であられるラーマを、カーマデーヴァのような御姿と蓮華の花弁の形をした魅力的な眼を持ち、今ジャータ(ドレッドロックス)を頭の上で巻いてお現れになったラーマを見て、聖仙ヴァールミーキーは急いで座から立ち上がった。眼に涙を溢れさせ、驚嘆のためにまばたきを一つもせずに、至福で心を溢れさせ、彼はラーマを抱擁し、全世界にとっての礼拝の対象あられる彼に、偉大なる信仰心を持ってアルグヒャとパディヤを捧げた。それから彼は甘い果物と根を彼に施したのだった。
 ラーマは恭しく聖仙ヴァールミーキーに礼拝すると、こう仰った。

「われわれの父君の命により、われわれはこのダンダカの森へとやって参りました。すべてを知りうるあなたに、この理由を話すことは無用でありましたね。私はあなたに、この地域のどこが平和に暮らすのに適しているのかについての助言を与えてくださるよう懇願いたします。その場所で、私はシーターと共に長き時を過ごすのであります。」

 ラーマがそのように話すと、聖仙は顔に微笑を湛えながらこう語った。

「あなたはまさしく全世界にとっての最上の住居であり、また同時に、宇宙に存在する一切の存在はあなたにとってのふさわしい住居なのです。
 おお、ラーマよ! ラグ族の子孫よ! いま私が申したものは、あなたの普通の住居についてであります。あなたは、シーターと共に暮らすことができる特別な住居について尋ねられました。おお、ラグ族で最も気高き者よ! 私は今それを申し上げましょう。
 あなたにとっての最高の住居は、一切の生き物に対して穏やかで、平等心があり、友好的である者たちの心の中、そして、大いなる信仰心を持ってあなたを常に礼拝している者たちの心の中でございます。
 一切の法と非法を放棄したあなたに常に依存している者たち――彼らの心が、おお、ラーマよ、あなたにとって、シーターと共に住む最も幸福な場所です。
 常にあなたの御名を唱えている者たち、常にあなたにおまかせしている者たち、二元対立を超越している者たち、一切の欲望を放棄した者たち――彼らの心が、あなたにとっての幸福な住居でございます。
 虚栄心のない者たち、穏やかな者たち、執着と怒りを放棄した者たち、そして土の塊と金貨を等しいものとして見なす者たち――彼らの心があなたにとってふさわしい住居であります。
 心と知性をあなたに明け渡した者たち、常に完全なる満足感に確立している者たち、すべての行為をあなたへの捧げものとする者たち――彼らの心があなたにとっての吉兆なる住居となるでしょう。
 不愉快な経験に対して嫌悪感を示さず、楽しい事柄にも鼻を高くしない者たち、そして全宇宙をマーヤーあるいはただの現象に過ぎないと見なし、あなただけに献身し続ける者たち――彼らの心があなたにとってのふさわしい住居となるでしょう。
 身体に生じて、真我に生じるものではない、出生から始まる人の存在の六つの変化を知るすべての者たち、空腹、喉の渇き、恐怖を幸福と見なし、真我に属さないものを苦しみと見なす一切の者たち、そしてそのような叡智によって、輪廻の作用への関わりから解放されている一切の者たち――そのような者の心はあなたにとってのふさわしき住居なのです。
 あなたを一切の衆生の内の奥底の居住者として見る者たち、あなたを純粋意識として、真理として、無限なる者として、二のない一なる者として、一切影響を受けない者として、一切に遍在する者として、そしてすべてのものよりも優れた者として理解する者たちのハートの蓮華の中に、あなたがシーターと共に住まれますように。
 絶え間ない実践によって心の中心に集中することに成功した者たち、常にあなたの御足への奉仕に献身する者たち、あなたの御名を唱え、あなたの栄光を歌うことによって罪を消し去った者たち――そのような人々のハートの蓮華は、あなたがシーターと共に住むのにふさわしき家であります。」

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