「鳥のダルマの素晴らしき花輪」より(4)
次に金色の雁が立ち上がり、大きな羽根を三度バタバタといわせてから、「ゲントゥ、ゲントゥ」と鳴きました。これには「(真理から)どんどん遠ざかる」という意味がこめられています。
「生まれてから死ぬまで、ダルマの教えに出会えないなんて。ゲントゥ!
自由を望みながら、いまの状態にしがみついているなんて。ゲントゥ!
すばらしい奇跡を求めながら、間違った考えに縛られているなんて。ゲントゥ!
回心のきっかけがそこにあるのに、それに気づかないなんて。ゲントゥ!
清らかな考えを得ようとしているのに、間違った判断に曇らされるなんて。ゲントゥ!
気前良く供養しようとしていたはずなのに、ケチくさいふるまいをするなんて。ゲントゥ!
拠り所を求めていたはずなのに、現世の誘惑に引きずられていくなんて。ゲントゥ!
心の本質を知ろうとしていたはずなのに、望みや恐れに心を曇らされているんて。ゲントゥ!
苦しみの海の中にいながら、いつまでもダルマから遠ざかっている仲間たち、わたしの言葉の意味をよく理解してください。そうすれば、心を縛っているものからきっと自由になれるでしょう。」
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