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「解説『母なる神』」第六回(4)

 はい。で、最後はまとめですね。まあこの部分だけじゃなくて今まで言ってきたこと全部ひっくるめて、「まさしくこれが正しい態度なのだから、かかる態度をとってこれを堅持する者のみが、失意や困難に出合ってもめげることのない信仰を保って、至高の勝利と大いなる変成へと至る試練を、敢然と乗り越えることになるのだ」と。
 はい。これはまとめですけど、まさに――このあいだから言ってるラーマクリシュナの弟子のね、ギリシュの態度とかまさにそうだったわけですけども、どんな失意や――現世的に言うところのね――どんな失意やあるいはどんな困難があってもめげることがないと。めげることのないっていうのは、さっきの信仰深い男の話でもあったように、別にいったん心が落ち込んで、でもがんばろうぜって、そういう世界でもないんだね。最初からすべてをオールオッケーと。オール神の愛だっていう、まかせちゃってる状態っていうかな。これがまあ理想なわけですね。
 でも何度も言うけども、その理想にまだわれわれは達していない。達していないから、ここの第一章っていうのはかなり厳しいことがバーって書かれてあるわけだけども、これを一つの自分のまあ理想というかな、自分の基準にして、足りない分は補って、ちょっとこう悪い部分――つまりこれを阻害するような、自分の中のさまざまなひねくれた心や、疑いの心や、あるいは悪しき魔的な心や、そういったものを駆逐していかなきゃない。駆逐していって――本当にある意味厳しい話なんだけどね――この「母なる神」の特に第一章に書かれているような内容が自分そのものになるように、あるいはこれと一センチもずれないような心になるまで、自分を鍛えていかなきゃいけない。それによって初めて――何度も言うけども、このまとめにある「どんな困難や失意に出合ってもめげることのない」、あるいは崩れることのない純粋な信仰を持って進むことができるってことですね。

 はい。じゃあ一応これで第一章終わりですね。じゃあ一応今日はここで終わりにするので、最後に質問があったら質問を聞いて終わりにしましょう。はい。今日の話と関係があってもなくてもいいので、何か全体的に質問がある人いますか? 特にないかな?

 ちょっともう一つ付け加えると、さっきギリシュの例を出しましたが、ギリシュの逸話で分かりやすい一つの例としてね、ギリシュが晩年病気になったわけですけども、このときの素晴らしい言葉があるんだね。病気になって見舞いに兄弟弟子とかが来るわけですけども、あるいは信者とかが来るわけだけど、そのときにギリシュが言ってたのは、「なあ兄弟」と。こんな病気ぐらいは本当はすぐ治るんだと。それは例えばわたしが――ギルシュがね――わたしがあのドッキネッショルの――つまりラーマクリシュナが住んでいらっしゃったドッキネッショルの部屋の前に行ってね、ラーマクリシュナがお歩きになったあの地面で転げまわって、師ラーマクリシュナにお願いすれば――つまり「この病気治してください」とお願いして転げまわりでもすれば、瞬間的に治るだろうと。それは間違いないことだと。しかしわたしには、すべての苦楽が――つまり苦も楽も全部、あのお方がわたしのために、わたしのことを考えてやってくださってるっていう確信があまりにも強いので、そういうお願いはできないんだって言ってるんだね。
 で、これはもちろんギリシュの気持ちとしてはどっちも本当はあったと思う。どっちもっていうのは、あまりにも信が強かったから、「いやあ、あの師が住んでらした家の前に行って転げまわれば病気なんてコロッと治るだろう」っていうのを、多分心から信じてたと思うんだね。しかし後者の話も彼の心からの言葉だったと思う。つまり――良いことも悪いこともグルの愛だっていう確信があまりにもあるので、この肉体の病気ごときを――これは与えてくださったのに、治してくださいなんてお願いが――なんていうかな、この気持ち分かるよね? つまり選択じゃないんです。選択っていうのは、どうしようかな、じゃあ頼もうかな、じゃなくて、「それが神の愛だ!」って確信があまりにも強いから、頼もうとしても頼めないっていうか、そういう感覚ね。これがまあ、ギリシュはそういう境地にいたわけですけども、それもわれわれは目指さなきゃいけない。
 だからこういう教え、あるいは先達のいろんな例があるというのは、とてもわれわれにとっては素晴らしいことですね。何度も言うように、「バクティ」とか「明け渡し」って、単語だけがあると、さっきも言ったけど曖昧になりがちですからね。ですからわれわれはしっかりこういった、本当の意味でのバクティの道を歩んだ先達、聖者方の教えをしっかり学び、生き方を学び、それが、なんていうかな、到達できない雲の上の理想ではなくて、まさにそこに自分が実践すべき現実的な理想として、常に心に置いてたらいいね。

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