「種字の観想」
◎種字の観想
【本文】
2.種字の観想
四つのチャクラの中心に、四つの種字を観想する。
これには二つのやり方がある。チャクラの花びらとともにその中心に種字を観想するやり方と、チャクラの花びらは観想せずに、種字だけを観想するやり方である。
へそのニルマーナ・チャクラの中心の月輪座の上に、赤い短いア字を観想する。
胸のダルマ・チャクラの中心の月輪座の上に、青いフーム字を観想する。
喉のサンボーガ・チャクラの中心の月輪座の上に、赤いオーム字を観想する。
頭頂のマハースカ・チャクラの中心の月輪座の上に、白いハム字をさかさまに観想する。
それぞれの種字は、中央管の中に、できるだけ小さく、はっきりと観想する。
小さく観想するのが難しい時は、最初は少し大きめに観想し、そのイメージが堅固になってきたら、徐々に小さくしていくとよい。
また、種字が光り輝いていると観想することによって、心の硬さや愚鈍を取り除くことができる。
種字を観想するときは、客観的に観想するというよりも、その種字の中に自分が溶け込んでしまうかのように集中して観想するのである。
種字に集中するとき、緊張しすぎると心の硬さや興奮状態が生じ、弛緩しすぎると愚鈍が生じる。よってその二つの極端を断ち、明晰な意識で極めて強く集中すべきである。
また瞑想法ですね、これもね。これもちょっと後でやってみたいと思いますが、それぞれのチャクラに種字――つまりこれは梵字ね。あるいはチベット文字でもいいけど、その字を観想するっていうやり方があります。
で、ここに書いてある通りのことをやるんですが、まず「月輪座」ってあるけども――つまり、月輪座っていうのは白くて光輝く丸いお皿みたいなものだと考えてください。こうお皿みたいのがチャクラのとこにあって、その上に梵字を観想するんですね。で、このときに、じゃあチャクラの花びらはどうするんですか? それは花びらも一緒に観想したり、あるいは、花びらはいいのでその月輪盤と梵字だけでいいですよっていうやり方と二つありますよと。まあちょっと花びらまでやると難しいので、今日は花びらなしでやりたいと思いますが――それから、できるだけ小さく、はっきりと観想する。それが難しかったら、最初は大きくていいので、それをだんだんだんだん小さくする。
つまりね、小さい方が集中力が必要になるわけだね、当然ね。よって、小さく観想します。ものすごく小さく観想する。自分の中にグーッとね。
はい、そしてそれが光り輝いていると観想することによって、心の硬さや愚鈍を取り除くことがでますよと。
そして、「客観的に観想するというよりも、その種字の中に自分が溶け込んでしまうかのように集中」だと。つまり何となく自分が今座ってるっていうイメージを持って、そのここにあるって観想するんじゃなくて、ここにガーッて自分が入ってしまうような感じ(笑)。喉だったら、喉の文字にガーッて入ってしまって、もうそれしかないような集中をするわけだね。それをものすごいミクロなものに対してやるわけです。ガーッてね。そういうやり方っていうことですね。
◎四つの種字を観想することの果報
【本文】
◎四つの種字を観想することの果報
頭頂のハム字に集中することによって、ボーディチッタの歓喜を発生させやすくなる。
喉のオーム字に集中することによって、夢のヨーガを進めることができる。
胸のフーム字に集中することによって、覚醒時と睡眠時の両方において、光を現わす手助けとなり、光のヨーガを進めることができる。
へその短いア字に集中することによって、チャンダーリーの火を激しく燃やし、また四つの歓喜を生じさせる手助けとなる。
これは書いてある通りですね。頭頂にハム字を観想すると、「ボーディチッタの歓喜」――つまり甘露ね。甘露のエクスタシーを経験しやすくなりますよと。
喉のオーム字に集中する訓練によって、夢のヨーガ――この夢のヨーガっていうのはこのシリーズの後の方に出てきますが、夢の中で修行する修行――これをやりやすくなりますよと。
胸のフーム字に集中することによって、覚醒時と睡眠時の両方において、光を現わす手助けとなる――つまりこれは光のヨーガにつながるわけですが、昼間ね、瞑想してるとき、あるいは寝てるときに心の純粋な光を経験しなきゃいけないんだけど、それがしやすくなりますよと。
はい、そして、へその短いア字に集中することによって、このトゥモ――熱のヨーガの根本である、生命エネルギーの炎を燃やしやすくなりますよと。そういう果報があるんですよということですね。
◎四つの歓喜
【本文】
◎四つの歓喜
チャンダーリーの火の修行によって、修行者は「四つの歓喜」を生じさせなければならない。
まず、チャンダーリーの火とボーディチッタが頭頂のマハースカ・チャクラに集中することによって、「歓喜」が生じる。
次にボーディチッタがのどのサンボーガ・チャクラに集まることで、「最高の歓喜」が生じる。
次にボーディチッタが胸のダルマ・チャクラに集まることで、「超越的歓喜」が生じる。
次にボーディチッタがへそのニルマーナ・チャクラに集まることで、「サハジャの歓喜」が生じる。
これは言葉でしかないので、これは経験するしかないね。つまり実際にすごいエクスタシーを経験するんだけど、そのエクスタシーにも実はいろんな種類があって、段階があるんですよと。それがここに書いてある四つの歓喜ですね。
これは今「最高の歓喜ってなんだろう? 最高と超越的どう違うんだろう?」とか考える必要はない(笑)。それはもう経験するしかない世界だね。
はい。じゃあちょっとまた瞑想してみましょうかね。
まず最初に「へそのニルマーナ・チャクラの中心の月輪座の上に、赤い短いア字」――まずみなさんのへそのところに、こういう月輪――つまり丸い皿みたいなのを観想して、その上に赤いア字――ア字っていうのは、サンスクリット文字とチベット文字で若干違いがありますが、まあこんな感じでいいと思います。これはどっちかっていうとサンスクリットだね。チベット文字的だとこういう感じになるかな。チベットとサンスクリットどっちがいいかな……どっちでもいいか(笑)――これがチベットふうのア字ですね。
はい、で、これは赤い色ね。これは前も言ったけども、この梵字の観想するときっていうのは、確かに形も大事なんだけど、それ以上に色の方が大事なんです。だから赤っていうことを忘れなければ、若干これが間違ってても大丈夫です。例えばこう一生懸命一時間くらい瞑想して、ふと見たら、「あ! ちょっと違ってた!」(笑)。「この棒が足りなかった!」とかでもあんまり問題ないです。
前も言ったけど、昔あるチベットの高僧が日本に来て、こういう瞑想を伝授したときに、「チベット文字のア字とかハム字とかをイメージしなさい」と。「でもみなさん、もしそのチベット文字がよく分からなかったら、カタカナでいい」って言ってたんです(笑)。つまり「ア」っていうカタカナを自分のへそに観想する。それでもいいよっていうぐらいだから――でもね、これ覚えられるんだったら、デーヴァナーガリー文字やチベット文字の方がもちろんいいです。でもそれよりももっと重要なのは、色ということです。
はい。じゃあこれやってみましょうね。最初ね、覚えられなかったら何度も目を開けて見ていいです。覚えられたら目をつぶって、これに集中します。はい。じゃあまず自分のへそのところに白い皿のようなものをイメージし、その上に赤く光輝くア字を観想します。はい。じゃあしばらくイメージしましょう。
(瞑想中)
で、小さくね、できるだけ。小さいのが難しかったら最初は大きくてもいいです。小さいア字に溶け込むようにグッと全神経を集中させます。自分の体もイメージしてその中心にあるんじゃなくて、その中に溶け込むような感じで集中します。
(瞑想中)
はい、次いきましょう。今度は胸。胸のところにまたこの白い月の皿のようなものをイメージして、今度は青いフーム字ですね。フーム字っていうのはちょっとまた難しくなるけども……こういう感じですね。ちょっとこれは難しいですね。だからこれもなんとなくでいいです。正確じゃなくてもいい。はい。じゃあイメージしましょう。胸のところに青くて光を発するフーム字をイメージして、グッと集中します。正確じゃなくてもいいです、形は。これもできるだけ小さくイメージし、そこにグッと集中して溶け込むような感じで集中します。
(瞑想中)
はい、じゃあ次いきましょう。今度は喉。喉はオーム字ですね。オーム字もチベット文字とインドの文字がありますが――じゃあオーム字はインドでやってみましょうかね。インドの文字はみなさんよく見たことあると思うけど、こういう感じのやつね。まあチベットのオーム字を知ってる人はそのチベットので別に構いません。どっちでもこれも構わない。こんな感じですね。はい、このオーム字。これは赤です。赤くて輝いています。はい、じゃあこれを自分の喉にイメージします。これもできるだけ小さく。そこに溶け込むように集中します。
(瞑想中)
はい。じゃあ最後に逆さのハム字。逆さのハム字はこういう感じですね。逆さのって、本当はこれの逆のやつが本当のハムっていうやつなんだけど、それが逆さになってるわけですね。はい。これを自分の頭の上にイメージしましょう。これは白くて輝いています。
(瞑想中)
はい。じゃあ瞑想終わりましょう。ちょっと今日はね、実践しながらっていう感じなので、時間がかかっちゃいますが、じゃあ次もいきましょうかね。
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