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「常に真剣に」

◎常に真剣に

【本文】
十八.心の訓練は、時々ではなく常に真剣に実践してください。

 これもこのままだけど、よくいるパターンで――うおーって燃える。「おれは修行しか目に入りません!」と。「菩薩の道を行きます!」――で、一週間後ぐらいに、ちょっと萎えてる(笑)。「ああ、最近ちょっとやる気なくなってきました……」と(笑)。で、また一ヶ月ぐらいして、「目覚めました!」とか言ってる(笑)。

 これは、何もしないよりはいいよ。何もしないよりはいいけど――じゃなくて、持続させなきゃいけない。うおーっていうその思いを持続させる。

 そうですね、この中にも、自分はそうだなって思う人がいるかもしれない。その人は持続力を高めたらいい。これはちょっと観念的になるから、これは例として聞いてほしいんだけど、わたしがこういろいろ見てきた中では、まあ西洋占星術でいうところのおひつじ座の人ね。おひつじ座の人。おひつじ座の人はどれぐらいいるかな(笑)?――結構いる(笑)。おひつじ座の人は――今みなさんがどうかは別にしてね。みなさんは修行してるから克服してるかもしれないけど(笑)――もともとの性質は短距離ランナーです(笑)、完全に。短距離は強いんです。つまり集中力があって、短い間に激走するのは得意なんだけど、持続力がない(笑)。マラソンが苦手なんだね。だからそうだと思う人は、持続力をつけなきゃいけない。

 短距離に早いのはいいことなんだよ。それまで否定する必要はない。そういう人って大体集中力はすごいから、瞬間的には人よりもすごい頑張る。だったらそれを持続させればいい。

 それもだから自分に言い聞かせなきゃいけないね。もちろんそういう性質がない人もいるだろうけど、でもそれは往々にして陥りがちなとこだから。

 修行ってやっぱり、わたしもしばらく長年修行してやっと気づいたけど、泥臭いもんなんです、修行っていうのは。つまり、かっこよくガーン!――悟った! さあどうだ!――っていうんじゃなくて、もう長い間、十年二十年、言ってみれば百年二百年かけて、もちろん死んでもまた生まれ変わって、淡々と自分の心の改造を行なってかなきゃいけないんだね。これを十分な熱意をもって行なう。

 でも、ただ盛り上がりだけでバーッとやっちゃうと、シュンとしたときに、その淡々とした作業が本当にもう絶望的に思えるときがある。逆に言うとね、これはよくチベットのある高僧とかも言ってるんだけど――そのときが「修行のスタート」といってもいい。つまり、最初は盛り上がって、「真理だ! すげえ! おれは真理にめぐり合った! うわー!」って修行して、で、その盛り上がりが冷めたときに、淡々とした、これからすべての衆生が解脱するまでこれをやり続けるっていうその現実に立ち戻ったときに、ちょっと心が消沈します、いったん。「おれは盛り上がってたけど、そうじゃなくて、心が盛り上がっていようが盛り上がっていまいが、全力でこの自分を変える道、衆生にいい影響を与える道を、ずーっとやらなきゃいけない」――っていうことを考えたときに、そこからさらに、その現実を踏まえた上で、覚悟を決めるんだね。で、ここが、本当の意味での修行のスタートといってもいい。

 だから、それはなかなか大変なことでもあるんだけども、それは常に自分に言い聞かせなきゃいけない。

 はい、これが、「時々ではなく常に真剣に」っていうことですね。

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