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「偉大なる戒律の遵守者のしるし」

◎偉大なる戒律の遵守者のしるし

【本文】
②偉大なる戒律の遵守者のしるし――カルマの法則を信じ、ほんのわずかな悪もおかさないようにすること。

 これは読んだとおりですけどね。つまり、カルマの法則っていうのがありますよと。それは本を読めばか分かる。で、それを心から信じ――信じると当然、何ていうかな――例えば法律っていうのがある。法律っていうのがあるのはわれわれはもちろん分かってる。で、いろんな例を見て、法律を破ると牢屋に入れられ、悲惨な人生があるっていうのを分かってる。罪によってはね。で、それはもう幻想じゃないじゃないですか。つまり、そういう伝説があるとかじゃなくて、もう誰でも分かってる。法律があって、ここまでの罪を破ると、懲役何年とかになるよってのは、誰でも分かってる。それはあたりまえのこととして分かってるから、われわれはその法律を破らないわけです。いってみればね。で、それを破ることを恐れるわけだね。

 例えば、カッときたからって人を殺さない。普通はね。なぜかというと、もちろんベースとして慈愛とかがあれば殺せないけど、例えば本当は殺したかったとしても、殺したら無期懲役か死刑になってしまうっていうのが頭に入ってるから、もちろん殺さないわけだね。もちろん殺すってのはかなり重い罪だけども、例えば万引きとかも、もちろんしちゃう人とかはいるだろうけど、でも普通――例えばですよ、ある程度地位があって、万引きなんかしたら社会的にももう自分の地位はなくなるし、実際罰も受けなきゃいけないっていうのが分かってたら、普通はしない。まあしちゃう人もいるけど。それは、法律っていうのが実際にわれわれの前にリアルなものとしてあるからだね。

 で、教えっていうのは、最初ちょっとリアルじゃないんだね。「ああ。そうか。仏陀はそう言ったんですか。ああ、そういう考えかたもあるんですね」っていうところから始まるわけだけど、われわれはしっかりと信を強めていくと、カルマの法則に対する「信」、まああるいはもうちょっといくと「理解」ね。「ああ、これは本当にそうだな」っていうのが分かってくる。そうすると、やっぱりこう、法律を破るのを恐れるように、カルマの法則を破ることを恐れるようになる。

 つまり戒律を――まあ戒律だけじゃないんだけど、教えからずれたくないと。ずれられないっていうふうに思いが強くなってくる。で、慎重に慎重にちょっとでも教えや戒律からずれないように生きる。これが「戒律の遵守者のしるし」だね。つまり、そういうのが現われてきたら、それは一つの修行のしるしですよと。で、逆に言うと、そうなってなかったら、そうなるように努力しなきゃいけない。

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