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「ラーマの結婚」

4.ラーマの結婚

 ジャナカ王はヴィシュヴァーミトラに、何か望むことがあるかと尋ねました。ヴィシュヴァーミトラは答えて言いました。
「二人の勇ましい王子は、この宮殿にある神の強弓を拝観したいのでございます。」

「この神の弓をもし曲げる者がいたならば、私の娘シーターを差し上げるでありましょう。」

 そう言うとジャナカ王は、臣下たちに神の弓を運ばせてきました。王は言いました。
「人間はもちろんのこと、天の神すらも、この弓を持ち上げ、弦を張ることはできません。」

 ヴィシュヴァーミトラはラーマに、
「よくこの弓を見なさい。」
と言いました。
 ラーマはその弓に手を触れて調べると、今ただちに試みるべきですかと尋ねました。ジャナカ王とヴィシュヴァーミトラがうなずくと、ラーマは軽々とその弓を持ち上げ、弦をつけようと弓を曲げ始めると、百雷のごとき轟きとともに、弓は真っ二つに割れ、宮殿は大地震のように揺れ動きました。

 ジャナカ王は言いました。
「ダシャラタ王の子ラーマは、豪勇無双である。このような驚嘆すべき業を見ようとは、夢にも思わなかった。シーターをラーマに差し上げよう。いまやわが王家は、シーターとラーマの結婚によって、さらに名誉を高めるであろう。」

 王はただちに臣下をアヨーディヤーに派遣して、ダシャラタ王にこのような手紙を渡しました。

  ラーマの父たる国王陛下
  あなたの王子は、神の弓を折り曲げ、シーターの花婿となられました。
  ただちに王族と司祭とを従えて、王子の結婚を祝うためにおいでください。
  また、あなたの第二王子ラクシュマナと、私のもう一人の王女ウルミーラーとの結婚も、恐れながらお許しください。
  お許しくださるならば、この二人も同時に結婚させたいと思います。

 ダシャラタ王は、これを聞いて大変喜び、さっそく翌朝、ダシャラタ王の一行はミティラーへと出発しました。
 この間に、ジャナカ王は隣国を統治する弟のクサドバージャ王を呼び寄せました。

 ダシャラタ王がミティラーに到着し、三人の王で話し合っていたところ、ラーマの残りの二人の弟のバラタとシャトルグナと、クサドバージャ王の二人の娘も、この機会に結婚させてはどうかということになりました。
 こうして、四組の結婚式が同時に行なわれたのでした。

 結婚式の後、一同揃ってアヨーディヤーに帰ると、ラーマとその兄弟たちは国民に大変愛されていたので、国中で盛大にな祝いのお祭が、二ヶ月間にわたって続けられたのでした。
 

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