「メーカラー」
デーヴィコータに、二人の娘を持つ家長がいました。彼女たちはある商隊長の二人の息子と結婚しました。
人々はみな、この二人の娘たちに悪口を言いました。彼女たち二人は何も悪いことはしていませんでした。妹が姉に言いました。
「わけもなく世間ではこのように私たちの噂をしています。どこか他の土地へ行きましょう。」
しかし姉は言いました。
「たとえどこに行ったとしても、良いカルマの蓄積がないならば、ここと変わりはしません。」
すると、師カーンハパなる者が、700人の男女のヨーガ行者に取り囲まれて、そこにやってきました。触れることのできない傘が彼の頭上で回転し、ダマルの音がやむことなく響くなど、無数の脅威が顕現していました。
二人の姉妹は思いました。
「町の人たちや夫たちに陰口を言われないように、グルに教えを懇願して、それを実践しましょう。」
そこで姉妹二人は、グルにいきさつを話して、教えを懇願しました。グルは二人を受け入れて、イニシエートし、見解・瞑想・行為・果報・双入に関するヴァジュラヴァーラーヒーの教示を伝授しました。
二人は熱心に修行し、十二年で成就を獲得しました。
その後、彼女たちはグルのところに戻り、供物を捧げました。しかし師は、
「おまえたちは誰だ? 私はおまえたちを知らないぞ。」
と答えました。そこで彼女たちは、以前のことを話しました。
「それではその謝礼をいただかなくてはならんな。」
とグルは言いました。
「グルよ、何でもあなたのお望みのものを、謝礼として捧げましょう。」
二人が答えると、グルは、
「では、あなた方二人の頭を私に捧げなさい。」
と言いました。
「何でもお望みのものを。」
叡智の鋭い剣が、二人の口から飛び出しました。そして姉妹は自らの頭を切り落とし、グルに差し出しました。
「私たちはグルのお言葉に報います。
生成のステージと完成のステージとの
完全なる統合によって、
輪廻とニルヴァーナの幻影を切り落としました。
見解と行為を完全に統合させることで、
捨てることと取ることの幻影を切り落としました。
明智と空間の完全なる統合によって、
自と他という幻影を切り落としました。
私たちは、この行いによって、
幻影でないものを捧げます。」
そう言うと、自らの頭を手に持って、彼女たちは踊り始めました。カーンハパは感嘆の声を上げました。
「見なさい、ああ、二人の偉大なヨーギニーを!
最も優れた功徳を得たことは幸福である。
だが、自分の平安の楽の中にとどまることは、劣った道である。
衆生の利益のために働きなさい。」
グルはそう言ってから、二人の頭を元通りにし、傷跡を消しました。人々はみな、驚きました。
彼女たちは「頭が切り取られた二姉妹」として知られ、カーンハパの従者となり、マハームドラーの成就を得ました。何年もの年月にわたって衆生のために尽くした後、自分の悟りの内容などについて語った後、ダーカの領域へと行きました。
姉である師メーカラーの伝記、終わり。
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