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「ミラレーパの生涯」第三回(8)

 「純粋な意識を保ち続けたので、過ちを犯す無明の知識は忘れてしまいました。」

 はい。しっかりと修行し、心の本性に到達すると。まあ、またはそこまでまだ行けない場合は、教えを学び、その教えにのっとって出てくる純粋な意識を保ち続けると。
 「純粋な意識を保ち続ける」っていうのは、これはいつも皆さんに言ってますけども――これは一つのキーワードです。キーワードですので、ちゃんと忘れないようにしてください。――「純粋な意識を保ち続ける」と。
 純粋な意識ってなんですか? それはいろんなパターンで出てくる純粋な意識です。だからこれはね、なんでもいいんです、人によって。例えば人によっては、ここでやってるようなね、神の歌を歌うと心が純粋になるかもしれない。例えばここの皆さんは純粋だからさ、だいたいここで神の歌とか歌うとね、例えば「マハームニ……」とか歌ってると、なんか「うー」って(笑)……

(一同笑)

 泣いてる人がよくいるわけだけど(笑)。あるいは神の瞑想とか懺悔の瞑想とかするとまあ涙が出てくるとかね。まあ涙出ないでもいいんだけど(笑)。心がとても純粋で、「ああ……」って感じになったりするときがあると思うんだね。で、それをですよ、そのときだけじゃ駄目なわけだね。それを常に持ち続けると。だからそれはいろんな方法でいいんですよ。常に自分の好きな神を頭にイメージし続けるとか、あるいは定期的に一日の中で何度も何度もね、教学をするとか。つまり自分の中で持ってるその純粋な意識っていうものを――いいですか、保ち続けると。できるだけね。もちろん理想は二十四時間です。二十四時間、純粋性の中で生きると。
 逆に言うとね、日々のいろんな活動の中で、自分の純粋性がちょっとけがれてきたなと、神のことを忘れてるなと思ったら、まずいと考えて、すぐに引き戻す作業をしなきゃいけない。ね。これはだからほんとにね、現代においては工夫が必要だと思うね。工夫。
 だから例えばさ、いろんな話聞いたことがあるよね。まあ例えばRさんとかは、会社でね、一時間に一回ムドラーやってたっていうけど(笑)。Hさんもね、休み時間に――あれ、仕事中だっけ(笑)?

(一同笑)

 ムドラーやるとかいう話があるけど。ね。そういう感じで物理的にエネルギーをガッと上げるでもいいしね。あるいはそのちょっと時間ができたら、ね、ほんとにそれは数秒でも三十秒でもいいんだけど、心の中で一つの瞑想をするとかね。まあ短い瞑想をしたり、マントラを唱えたりっていうことをやるとかね。
 特に皆さんにとってはそれぞれピンとくるっていうか、気が上がるとか、意識がグッと引き上げられるアイテムっていろいろあると思うんですよね。それぞれ違うかもしれない。ある人は例えば、そうですね、グルヨーガの瞑想すると心が純粋になるかもしれない。ある人はクリシュナのことを考えると心が純粋になるかもしれない。ある人はお釈迦様のことを考えると純粋になるかもしれない。またある人はある種の好きな言葉があって、その言葉を唱えると純粋になるかもしれない。まあなんでもいいので、自分をね、チェックして引き戻す作業が必要ですね。その純粋な意識を持ち続けると。
 はい。で、ミラレ―パはそれを、「純粋な意識をもち続けたので、過ちを犯す無明の知識は忘れてしまいました」と。
 つまりわれわれの中には多くの間違った知識というかな、データがいっぱいあるわけですね。でも努力して、われわれが純粋な方の意識を保ち続けるように努力してると、それがだんだん自分の全体性を覆い、そのような過ちを犯すデータには惑わされなくなるっていうことだね。はい。

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