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「カルマムドラー」

◎カルマムドラー

【本文】
7.カルマムドラーによって観想することについて

 カルマムドラーとは、条件を備えた実際の女性である。つまり前述した、異性とのセックスを利用して観想する方法である。

 このためには、自分と相手の両方が、極めてすぐれた修行ステージに達し、密教の戒律を厳しく守り、一日四回の生起次第の瞑想によく熟達し、すぐれた空性の悟りがあり、四つの歓喜、特にサハジャの歓喜に精通し、自らのエネルギーをコントロールしてボーディチッタを漏らさないことができるなど、さまざまな定義を完璧にそなえていなければならない。
 このような定義を実際にそなえていないのに、傲慢にも自分には資格があると勘違いしてこの方法を行なうならば、それは悪趣・地獄に落ち、長い間にわたって苦しむる因となる。

 よってこのプロセスは、通常は、現実の女性ではなく、ヴァジュラヨーギニーなどのジュニャーナ・ムドラー(観想された女神)を観想し、その女神との合一の観想によって四つの歓喜を生じさせるのが良いのである。
 そうして前述のように、「サハジャの歓喜」のときに、「楽空無差別の智慧」に集中する。もしくはまだ空の悟りが堅固でないならば、ただその至福感のみに集中する。そうしてその強烈な精神集中を長く持続することによって、サマーディに没入するのである。

 これは先ほども言ったように、修行の流れの中で確かに異性との性行為を利用した修行っていうのはあるんだね。しかしそれはかなり危険ですよと。そしてその条件が非常に厳しいと。だからそれは手を出さない方がいい。
 しかしそれを応用したイメージの修行はあります。それがよくチベットの神様の絵とかで男女が抱き合ってる――男の神と女神が抱き合ってる絵ってよくあるよね。ヴァジュラサットヴァとか、正面でこう抱き合ってる。ああいう瞑想があります。つまり自分が神になったとイメージして、女神と抱き合うと。で、合一してるとイメージする。で、そこで人間の性的な喜びではなくて、もっと高い喜びがガーッて発生したというふうにイメージするんだね。つまり自分が神になって、神としての生命エネルギーの喜びみたいなのが出たとイメージして、そのエネルギーを利用してさっきのことをやるんです。つまりこのチャクラを一つずつガーッてこう移動させていって、それによって素晴らしい最終的なサハジャの叡智を観想するっていう方法がありますよっていうことの説明ですね、ここはね。

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