◎強い熱情
【本文】
ティーヴラサンヴェーガーナーマーサンナハ
解脱を求める強い熱情を持つ行者には、無想サマーディの完成は早い。
これは読んでその通りですね。
「解脱を求める強い熱情を持つ行者には、無想サマーディの完成は早い」
と。
これもいつも言っていることだけど、最近の精神世界や仏教界の一部の人が言うような、努力する必要はないとか、解脱への欲も持ってはいけないとか、それはもう全て間違いです。もう徹底的に熱情を持たなければいけない(笑)。
ラーマクリシュナもうそういうことを言ってる。
「神を実現するにはどうしたらいいですか」
と。
「一番最初に大事なのは熱意だ」
と言ってる。
「熱意の後に、夜明けが来る」
と言っている。
つまり、最初の熱意がないと始まらないんだね。私は解脱したいんだと。あるいは神を得たいんだと。悟りたいんだと。この世の真実を知りたいんだ――という強い想いがあって、初めてその後のものが力を持つようになる。だからそういう強い熱意というのは大事です。
もし自分にそれが足りないと思ったら、一つはしっかり教えを学ぶ。教えを学んでたら、そういう熱意が出てきます。
もう一つは、もっと手っ取り早い方法としては、唱える。これがいいです。これは結構いいです。唱えるというのは、何でもいいいんだけど、普通の実際にある詞章とかでもいいんだけど、自分でね、「頑張るぞ、頑張るぞ」とか、「修行するぞ」とか、あるいは「私は解脱したいんだ」とか、「解脱できるんだ」とか、「真実を知りたいんだ」とか。そういう自分を鼓舞するようなことを、日々唱えるんだね。
さっきから言っているけど、人間ってただの修習なんです。「おれはこうだ」ってないんです。ある人に対してね、「お前は馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だ……」ってずーっと言い続けたら、馬鹿になります(笑)。簡単に言うとね。どうにでも変われるんだね。その一番簡単なのは、言葉というのはすごく重要っていうか。だから否定的なことは決して言わない方がいい。否定的なことばかり言っていると、本当に何もできなくなります。口癖で「ああ嫌だ」とか「できない」とか「駄目だ」とか言ってると、その人がもともと持っている能力というのは、どんどん制限されていくんだね。だからできるだけ――もちろん現世的なことはどうでもいいけども――精神性を高めるとか悟りとか解脱に関しては、徹底的に熱情を持ち、そういう言葉を口に出したりとかした方がいいね。
K君とかはとてもいいパターンだね、そういう意味ではね。「おれは今年中に解脱するぞ」とかね。そういうことを口に出したりとか、実際に決意として持ったりというのは、それは素晴らしいことです。それはその可能性をすごく広げる。だからそれはそういうことですね。熱情というのは、まず最初に来ますよと。それを持つ者には完成は早いですよと。
-
前の記事
逃げないことと心の成熟 -
次の記事
◎熱意のレベル