スワミ・トゥリヤーナンダの書簡集(27)

                          1913年5月23日 
                          ラーマクリシュナ・アドヴァイタ・アシュラムにて 
           
      
 親愛なるSへ 
わたしは5月17日付けのあなたの手紙を受け取り、喜んでいます。わたしはヴァラナシからカンカルに来たあと、いくぶん調子が良くなりましたが、病気それ自体が良くなったとは思っていません……。
 われわれに起こるべきことが起こっているだけなのです。今わたしはあなたがたみなが行動を開始し、母なる神のお仕事をなすことによって祝福されることを切に願っています。「人は自身の解放と人類の利益のために人生を送るべきです」――このスワミ・ヴィヴェーカーナンダのメッセージをあなたの人生において成就させてください。わたしは今あなたの心がずっと良くなり、決意が堅固になったと聞いて嬉しく思っています。これが求められていることです。大いなる理想のために自分の人生を放棄する以上に素晴らしいことが、他にあるでしょうか?  
「死が確実なら、高潔な目的のために人生を犠牲すべきである。」[ヒトーパデーシャ、第三章]  
 そのような教えを本の学びだけで済ませようというのですか? あなたはそれらを自分の人生に置き換えようとはしないのですか? 
 あなたは正しいことをしています。[※おそらくSは僧院に出家した。]すべてを聞き、そして学んだあと、もしあなたが学んだように行なわないならば、あなたの知識はすべて無智に変わってしまうでしょう。けっして弱さを自分に近づけてはいけません。あなたの目の前に師やスワミジの理想をしっかり置き、それから恐れることなく前進してください。心配しないでください。母なる神ご自身があなたを守ってくださいます。もし少しばかり熟考するなら、あなたは彼女が常にあなたを守ってくださってきたことに気づくことでしょう。もし彼女があなたを抱きしめ、守ってくれなかったら、今まで無傷のままでいられたでしょうか? けっしてそれは無理だったでしょう。母なる神ご自身があなたのために道を切り開き、あなたを彼女の元へ引っ張ってきてくださったのです。なのに、なぜあなたが恐れを抱くべきでしょうか?  
 さあ、彼女との関係を強めてください。まずはこう理解してください。「わたしは世間とのつながりをすべて断ち切った。」そのとき、母なる神ご自身が、恩寵により、彼女以外に何ものも存在しないことをあなたに示してくださるでしょう。「同じラーマがあらゆる存在の中で遊戯しておられるのです。」母なる神はあらゆるもの中に住んでおられます。ブラフママイー、つまり母なる神はあらゆる場所に遍在しておられ、そしてガンガーやガヤー、カーシーは彼女の御足のもとにあるのです。エゴの感覚が消えたとき、人はすべてのものを母なる神として悟るのです。 
 これからあなたは語ったとおりに、あなたを神に向かって導いてくれる神の献身者との交わりによって喜びを見つけなければなりません。あなたを神から遠ざける者とは離れて過ごしてください。これからあらゆる関係は、母なる神を通じたものとそうでない他のものとに分かれます。 
 これからあらゆる手段で次のことを経験してください。 
「わたしの心はこの真実を知っている。――わたしは母のもの、母はわたしのもの。」 
 これに到達するためには、あなたは、必要ならば自分の手で自分の心臓を取り出す準備さえをもすべきです。 
 あなたは知性豊かな人です。これ以上わたしが何を言いましょうか?…… 
                             あなたのやすらぎを祈る者 
                             トゥリヤーナンダ 
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