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ジャータカ・マーラー(19)「スタ・ソーマ」(3)

 スタ・ソーマ王子は、スダーサの息子に近づくと、こう言いました。

「あなたのおかげで、真理の法の言葉という財が手に入りました。その返礼もできました。心は歓喜に満ちています。私はここに戻ってきました。望みのままに私を食べてください。」

 しかし、スダーサの息子はこう言いました。

「お前を食べるのに急ぐことはない。この火葬の薪はまだ煙に満ちている。煙を出さない火で焼いた肉が味が良い。
 よって真理の法の言葉を、俺にも聞かせてくれ。」

 スタ・ソーマ王子は言いました。

「こういう状況にあるあなたが、法を聞く目的は何ですか?
 あなたは胃袋のためにこういう状況になっていて、人々への慈悲心は捨ててしまっている。
 法と非法とは結びつくことはない。
 悪鬼のような邪悪な行いをなし、聖なる道を放棄したあなたには、真実はない。そのあなたが、聖なる学びで何をしようとするのですか?」

 スダーサの息子は、スタ・ソーマ王子のこの叱責に耐えられず、こう言い返しました。

「まあそう言うな。私が生きるために人間を殺すのは、たしかに不法であろう。しかし狩り遊びなどで無益に動物を殺す人間たちは、不法者ではないのか?」

 スタ・ソーマ王子は言いました。

「無益に動物を殺すのも、たしかに不法である。しかしそれよりも、人間を殺して食うことは、最も非難さるべきことである。なぜなら、人間の生は真理の法を実践する貴重な機会を有するものだからである。」

 そのときスダーサの息子は、スタ・ソーマ王子からこのように厳しい言葉を投げかけられながらも、スタ・ソーマ王子の慈悲深い特性によって凶暴な自性は弱められ、喜びを感じつつ、笑いながらこう言いました。

「おお、スタ・ソーマよ。
 王の栄光に満ちた美しい城に帰ることができたのに、お前は再び私のもとへ戻ってきた。お前は政治の道に通じていない。」

 スタ・ソーマ王子は言いました。

「そうではありません。私は政治の道に通じているのです。だから、それを実行したいとは思いません。
 そのような政治の道を実行するならば、法から絶対確実に逸脱し、幸福は成立しないのです。
 政治の道を実行した人は、たいてい、死後、悪趣に落ちる。だから、偽りの政治の道を捨てて、私は誓いを守り、またここに戻ってきたのです。」

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