yoga school kailas

シュリー・チャイタニヤの生涯(5)

【ガヤーへの訪問、変革】

 東ベンガルの席巻遠征の後、程なくして、祖先救済の葬儀またはピンダを演じるために出かけたガヤーへの巡礼は、ニマイの人生の転機となりました。
 ピンダ典礼のあと、ガダーダラ聖堂のヴィシュヌパダを礼拝していると、ニマイは奇妙な気分に襲われ、そのままトランス状態に入りました。
 彼はよろめいて転びそうになり、苦行者のイーシュワラ・プリーが後ろからニマイを支えました。イシュワラ・プリーは、出家修行者の中で最初にバクティの実践を取り入れたマーダヴェーンドラ・プリーの弟子でした。ナディアでもイーシュワラと顔見知りだったニマイは、通常意識を戻すと、プリーに、シュリー・クリシュナへのラーダーへの愛の片鱗を理解できるように手助けしてほしいと頼み、プリーを驚かせました。プリーがクリシュナを愛するゴーピーの賛美のマントラを唱えると、ニマイは即座に変容し始めました。彼の陽気なムードはなくなり、言葉にならない哀愁と悲壮感が漂い、穏やかな充足心とクリシュナへの渇仰心をうねりのように繰り返し、嘆きからエクスタシーへ、またエクスタシーから嘆きへと、ニマイの魂は激しく浮沈し揺さぶられたのでした。
 同行していた学生達は、彼がナディアへ帰ることをためらっている様子に気づきました。ニマイはすぐにでもクリシュナに会うためにヴリンダーヴァンへ行きたかったのでした。しかし学生達はなんとか説得し、彼を連れ帰るために、母親のために戻るようにと説得しました。ニマイは同意し、放心状態から完全に意識を取り戻しました。

 ニマイはすっかり弱々しくなり、彼の陽気さや聡明で積極的な性格は失われ、クリシュナ以外のことは何も話そうとしなくなりました。スクランベルの家でニマイは「私のクリシュナ!」と叫び、恍惚状態になり、意識を取り戻したあと、胸に手を当ててペラペラと話し始めました。

「ああ、せっかくクリシュナを捕まえたのに、彼はいなくなってしまった。全世界をもってしても、心に大きく開いたこの穴を埋めることはできない。誰も彼をここに連れてきてくれないのです!」

 旧師であったガンガーダースは、平常心を取り戻すためニマイにTOLを再開するよう提案しましたが、いつものように本を開いて”ハリ”と言うだけで恍惚状態に入ってしまいました。試みは数日間行われましたが、クリシュナのことしか話せず、以前のように授業ができなくなったため、遂にニマイは学生達に時間を無駄にさせてしまったことを詫び、言いました。

「ああ皆さん、実は授業を始めようとすると、この上なく美しい黒い顔艶の少年が、フルートを吹きながら私の前に立つのです。その姿を見て私の意識は吹き飛ばされ、私はすべてを忘れてしまうのです。もはや今までのように教えることができなくなりました。別れを告げる私をどうか許してください。」

 しかし学生達はその場から動きませんでした。ニマイがクリシュナ賛歌を歌うことを提案すると、全員が踊りと合唱に加わりました。

「クリシュナに栄光あれ! ハリに栄光あれ!」

 そこに流れ出したバクティの川の中を、人々は泳ぎ酔いしれたのでした。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする