yoga school kailas

「分析と吟味」

◎分析と吟味

【本文】
二十.分析と吟味によって、煩悩から解き放たれるようにしてください。

 はい、これもこのままだけど、これもまずは教えが大事です。まず教えが入ってないと、分析もなにもあったもんじゃない。逆に間違った分析になります。ね。

 いつも言うけどさ、分析ってさ、論理的分析っていうのは、材料が必要なんだね。これは分かるよね。材料があって、それを組み立てていかなきゃいけない。だからまず教えを学ぶ。で、教えを深く理解する。そしたら、まずは教えっていうのは自分とはちょっとかけ離れた、単なる論理的な話なんだけど、それを今度は自分の煩悩に当てはめるんです。それによって分析する。そして吟味し、これはわたしにとっては必要がない、あるいはこれはわたしにとってはデメリットしかないっていうことを、何度も何度も納得させる、自分に。納得したら、絶対に煩悩は消えます。これはだからジュニャーナ・ヨーガ的なやり方だけどね。

 何回か言ってるけど、われわれが、煩悩は苦だ――例えば、執着は苦だ、怒りは苦だと、いろんなことを学びながら、その煩悩を捨てられないのは、納得してないからなんです。

 これはわたしの過去の経験でもはっきり言えるけど、本当に納得できたら瞬間的に消えます、煩悩は。「あ、これ、デメリットじゃん!」っていうことを、心の、本当に本当に奥底から納得できたら、パッと消えます。だんだん弱まるんじゃなくて、パッと消えます。

 なぜか分かりますか? それがエゴの性質なんです。エゴっていうのは、いいと思ってるから手放さないんです、それを。つまり頭でどんなに、例えば執着は苦だって思ってても、エゴが苦って思ってないから。例えば、「怒りはわたしを幸せにしてくれるんだ」「嫉妬することはわたしにとって必要なんだ」って思っちゃてるから、捨てられないだけなんだね。 まず頭で理解し、それを心に何度も納得させることに成功できたら、エゴが、「あ、やっぱりこれ、なんかデメリットだったな」って分かったら、ぱって消えます。でもそれはなかなか難しい。難しいけども、これもやり続けなきゃいけないね。

 まずは教えを学び、教えに基づいて自分の悪い部分、煩悩とか悪い心の働きをチェックし、分析して、納得する。「これはこうこうこうだから、わたしにとっては必要ないんだ。必要ないんだ」と納得する。うまくいけば、パッと消えます。パッと消えなくても、弱まります。だからこれは日々やるべきことですね。

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