パトゥル・リンポチェの生涯と教え(96)
◎一日分の食料
タマ・ルンにいる時、パトゥルは弟子のムラ・トゥルク・ペマ・デチェン・ザンポにこう言った。
「今日食べる分のチーズとツァンパが少し残っていたはずだったのだが。犬に持っていかれたか、あるいは今日食べる分だと気づかずに誰かにあげてしまったようだ。とにかく、今は食べる物が何も残っていない。もしよかったら、何か食糧をわたしにもってきてくれないかね?」
パトゥルに奉仕するチャンスがやってきたと歓喜して、ムラ・トゥルクは食糧を得るために出て行った。そして戻って来て、食糧をパトゥルに捧げた。しかしそれを受け取らず、パトゥルはそれをムラ・トゥルクに返して、こう言った。
「おお、ちょうどある人がバターとチーズを少しわたしにくれてな。今はもう必要なくなってしまったわい!」
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