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要約・ラーマクリシュナの生涯(33)「弟子たちへの様々な指導」(4)

◎プルナチャンドラ

 初めて師ラーマクリシュナに会ったときのプルナチャンドラは、まだ13歳になったばかりの少年だった。
 当時、ラーマクリシュナの近しい弟子のひとりであり「ラーマクリシュナの福音」の著者であるマヘンドラナート・グプタは、ヴィッダシャーゴルが設立したシャームバザール・スクールの校長を務めていた。彼は学生の中に信仰深い少年を見つけると、ドッキネッショルのラーマクリシュナのもとに連れていくのだった。テジャチャンドラ、ナーラーヤン、ハリパダ、ビノド、若いナレン、プラマタなどのバグバジャル地区の少年たちが、こうしてラーマクリシュナのもとを訪れたのである。そのため、ラーマクリシュナの信者たちの中には、マヘンドラナート・グプタのことをユーモア交じりに「人さらいの先生」と呼ぶ者もいた。これを聞いたラーマクリシュナは、笑って、「彼にピッタリのあだ名だね」と言った。
 
 ある日、八年生のクラスを教えていたマヘンドラナート・グプタは、プルナの素晴らしい性質とかわいらしい話し方に惹かれた。この後間もなく、マヘンドラナート・グプタは、プルナを師ラーマクリシュナに紹介するように手配した。プルナの保護者達が非常に厳しくて気性の荒い人たちだったため、この計画は内密に立てられた。その日プルナは、いつも通りの時間に登校すると、馬車でドッキネッショルに向かい、下校時間前に学校に戻り、何事もなかったように帰宅したのだった。

 この日初めてプルナに会ったラーマクリシュナは、大変喜んだ。非常に深い愛情をこめて霊性の指示を授け、お菓子をあげた。
 後にラーマクリシュナはこう言った。

「プルナはナーラーヤナの一部で、高度のサットヴァをそなえたサーダカだ。この意味では、ナレンドラ(ヴィヴェーカーナンダ)に次ぐ位置にいるといえよう。私はずっと前に、ここに霊性を悟りに来るであろう人たちのヴィジョンを見た。プルナの到着で、このクラスの信者は全員そろった。今後はこれほどの人物は来ないだろう。」

 ある日、プルナの中の霊的なムードが目覚めた。過去世から続く師との関係が心によみがえり、完全に静かで内観的になって、喜びの涙が頬を伝わった。保護者への恐れから、プルナは懸命に自分を制して帰宅したのだった。
 この日以来、ラーマクリシュナは、プルナに会って食物を食べさせたいと強く望むようになった。機会があるごとに、他の信者を通していろいろな食べ物をプルナに送り届けさせた。保護者に見つかったら罰せられるので、隠れてプルナに渡すように指示した。
 ラーマクリシュナが滝のように涙を流しつつ、プルナに会いたがっているのを、他の信者は何度も見た。どうしてもプルナに会いたいときには、ラーマクリシュナはカルカッタにまで行き、学校に近いバララームなどの信者の家で待ち、誰かにプルナを呼びに行かせるのだった。
 あるとき、バララームの家でプルナに会ったラーマクリシュナは、自らの手でプルナに食物を食べさせると、こう言った。

「さて、お前はわたしのことをどう思うか?」

 あふれんばかりの信仰心に圧倒されて、プルナはためらうことなく答えた。

「あなたは神ご自身が、血肉を受けてお生まれになったお方です。」

 この13歳になったばかりのプルナがこのように答えたことで、ラーマクリシュナは驚きと喜びに満たされた。ドッキネッショルに帰った後、ラーマクリシュナは他の弟子たちに言った。

「ねえ、プルナはまだほんの子供で、知性もまだ未熟だ。その彼がどうしてわたしをアヴァターラ(神の化身)だと認めたのか? 神聖な性質の影響で、やはり彼と同じように答えた者たちもいる。純粋にサートウィックな心に真理が自ずから示されるのは、過去世で積み重ねられた習性によるものに違いない。」

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