パトゥル・リンポチェの生涯と教え(48)
◎広範囲に及ぶパトゥルの教えの影響力
パトゥルは、ロンチェンパの「安らぎを見つけるための三部作」のパート2「瞑想」を説いた。それを聞いたすべての弟子たちは、自然と深い瞑想に引き込まれていったように感じ、その境地の中に、努力なく、安らかに休息することができた。聴聞者たちは、まず自分たちの理解が深まっていっていることに気づき、そして、その影響が仲間の修行者たちにの中にも及んでいるのだと気づくにつれ、彼らの瞑想は自然とさらに深まっていくのだった。そこにいた人たちは後に、鳥や野生動物までもが、パトゥルに感化されて、まるで生来の意識に没入しているかのように、静かに集中して座っていた様子を目撃したと語った。
パトゥルがそのパート3「驚くべきこと」を説いたとき、ルントクは突然、現象世界の一切を、真の存在性を欠いたものとして経験した。――それは幻影に過ぎず、すべてに行き渡っている透明性であり、破裂しかけている泡のように不安定なものである。
ルントクによると、これらの教えは、他のどの教えとも異なっていたのだそうだ。
「われわれはこぞって、師の計り知れない叡智、師の生き生きとした瞑想経験、師の悟りの祝福を直接的に経験したのです。」
ルントクはそう言っていた。
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