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第二章 発菩提心

 優れた菩提心を発こした賢者は、あらゆる悪行からよく守られる。
 功徳と慈悲心が増大することで、彼は楽においても、また苦においても、常に歓喜する。

 自己の身命を顧みず、他の利益のために最上の努力をなす
 このような彼が、いかにして悪業をなすであろうか。

 彼はすべてを幻の如しと見る。
 また、衆生のために輪廻のもろもろの世界に生まれることを、園林に入るが如しとみる。
 彼は成功の時にも失敗の時にも、心を動かさず、苦しみも恐れない。

 常に慈悲の心を本質とするもろもろの菩薩には、
 もろもろの功徳が生じ、
 衆生に利益を与えることによる歓喜が生じ、
 目的を持って輪廻界に生まれ変わり、
 さまざまな神通をあらわし、
 仏陀の遊戯を楽しむのである。

 他者のために精進し、慈悲を本質とする者には、アヴィーチ地獄すらも、彼の楽しみとなる。
 このような菩薩が、いったいどのような苦しみを恐れるというのか。
 また、どのような世界に生まれることを恐れるというのか。

 大いなる慈悲に満ちた仏陀が常に心に住する菩薩は、
 他の人の苦しみによって心が苦しめられる者となる。

 菩薩は、常にその頭の上に、衆生の荷物を載せている。
 そのような彼が、緩慢な行動をなすのはふさわしくない。
 自己も他者も、種々の繋縛によって強く束縛されていると知って、
 菩薩は常に極限的な精進をなすのである。

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