禁戒
われわれは、気道を清掃する方法である、生気に関する法を修練しなければならない。それは上述したアーサナ、いろいろな呼吸法、ならびにムドラーと呼ばれる諸操作からなっている。
その次にナーダ音に意識を集中するのが、ハタ・ヨーガにおける修習の順序である。梵行(禁欲)を守り、食を節し、すべての欲望を捨てて、ヨーガに専念する人は、一年後にはシッダ(成就者、大師、達人)となるであろう。このことについて疑いをさしはさんではならない。
バターや甘みをもって味付けされた食物をとり、胃の四分の一を空けておくこと。ただ生命への愛だけから食事をすること。これが節食といわれるものである。
ヨーガ修行のはじめのうちは、食物、異性、旅、その他についての禁戒を守らなければならない。ヨーガ修行が進んだ後は、これらの戒は外される場合がある。その辺は、師の指示に従うべきである。
☆食物についての禁戒
次のような食物は、最初のうちは極力とってはならない。
辛すぎるもの、酸っぱすぎるもの、刺激が強すぎるもの、塩辛すぎるもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの、葉っぱ、ごま油、からし、酒、魚、獣肉、油で揚げた菓子、にんにく、いったん冷えたものを温めた食物、消化しにくいものなど。
☆ヨーガ修行に適する食物
ヨーギーにとって好適な食物は次のごとくである。
小麦、米、大麦、その他優れた穀物、生乳、バター、砂糖、蜜、根菜、豆類、清水等である。
またヨーギーは、栄養になる食物、甘みのある食物、バター入りの食物、牛乳入りの食物、体力をつける食物、その他自分の好む適当なものを食するがよい。
☆異性についての禁戒
異性と性交してはならない。
☆旅についての禁戒
長旅をしてはならない。
☆その他の禁戒
悪人の近くに住んではならない。
体を冷やし過ぎてはならない。
断食その他の肉体を苦しめる行為をしてはならない。
若きも、老いたるも、病人も、虚弱者も、すべてのヨーガ行を怠らずに実習することによってシッディ(成就)に達することができる。
ヨーガ行法の実習を行なう人にしか成就はありえない。実習しない人にどうして成就がありえよう。ただ経典を読むだけでは、ヨーガの成就は生じない。
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