覚醒の太陽(6)
(b)主要部分
次に、この主要部分については、仏陀と菩薩方の注目を集めるために、彼らに懇願することから始まる。
「十方に住まうすべての仏陀方よ
十地の偉大なる菩薩方よ
ヴァジュラの保持者である偉大なる師たちよ
汝らの心をわれわれへと向けたまえ!」
そして、以下の詞章を三回唱えて誓願を立て、そして同時にそれを実行に移すべし。
『往昔のスガタが菩提心を受持したように、そして菩薩の実践規律を定めの通りに遵守したように、そのように、世界の善福のために、私は菩提心を起こそう。そしてそのように、順序に従って、実践規律を実践しよう。』
(c)結果
以下の詞章を唱えながら、随喜するべし。
『――「今日、私の生は実を結び、人間としての存在は、得られがいのあるものとなった。今日、私はブッダの家に生まれ、今や私はブッダの子である」と。
そこで今や、己の家柄にふさわしい行ないをなす人たちのなす業を、私はしなければならぬ。けがれのないこの家に、汚点が生じないように。
あたかも塵芥の堆積の中から、盲人が宝石を得ることがあるように、この菩提心は、偶然に私に出現した。
これは世界の死をなくするために現われた霊薬であり、世界の貧困を除くための不滅の財宝である。
世界の病を癒すための最上の薬であり、迷いの存在の道程(輪廻)にさまよい疲れし衆生の休らう大樹である。
難路を超えるためのすべての旅行者に共通の堤防であり、世界の煩悩の熱を冷やすために昇れる心の月である。
世界の無智の暗黒を払う偉大なる太陽であり、正法の牛乳を攪拌して生じた新鮮なバターである。
安楽を受けようと渇望して、迷いの存在の道程をさすらえる衆生の隊商に、この安楽の饗宴はもうけられた。すべてこれに近づく衆生は、満足を得よう。
今や私は、世の人々を安楽の饗宴に招待している間に、彼らをスガタ(ブッダ)の状態にいざなう。
実にすべての救済者の面前で、神々と阿修羅等は歓喜せよ。』
最後に、以下の熱望の祈りの詞章を同様に唱えてもよい。
「おお、崇高な尊き菩提心が
まだ生じていない人々に生じますように。
生じたあとも、決して衰えることがありませんように。
そして、さらにもっともっと増大し続けていきますように!」
これで、心の連続体に菩提心の心構えを刻み込むセクションを終わる。