三昧
昔インドで、ある娼婦に心を奪われている一人の男がいました。
彼は寝ても覚めてもその娼婦のことしか考えられず、他のことをほとんど意識できないほどでした。
ある日、彼はまたその娼婦のもとへ向かうために、道を歩いていました。
その道すがら、道の横で瞑想をしている修行者がいました。娼婦のことで頭と心がいっぱいだった男は、誤って修行者の膝や腿の上を踏んづけて通ってしまいましたが、それに気づくこともなく、通り過ぎていきました。
するとその修行者が彼を呼び止め、怒って言いました。
「こら! 私は神様を瞑想していたのに、踏んづけて邪魔をするとは何事だ!」
そう言われた男はハッとわれに帰り、ようやく状況を把握すると、手を合わせて修行者に言いました。
「修行者さま。申し訳ありませんでした。恥ずかしながら私は、女のことで頭と心がいっぱいで、あなた様を踏んづけたことに全く気づかなかったのです。
ところで修行者さまは、神様を瞑想していたそうですが、どうして踏んづけられたことをお気づきになったのですか?」
・・・・・・神さまで心がいっぱいで、あらゆることが気にならなくなるようにしたいですね^^
「私は、星座の位置も、今日が月の何日目かも知らない。ただラーマのことだけを思う。 」
――ハヌマーン
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