「人間に生まれるプロセス」
◎人間に生まれるプロセス
(T)どうしてエネルギーがここに眠っているんですか?
どういうこと?
(T)どうして下のほうから出発してるのか。
ああ。いや、それは簡単に言うと、我々のカルマが悪いから。一つは。
つまり人間界っていうのはそれだけ低い世界なんだね。だから我々は神々の世界のシステムって知らないけど、神々の世界はまた全然違うエネルギーのシステムになってる。
人間界はね、やっぱりね、なんだかんだ言っても、いろんなその、チャクラとかと世界の関係って、いろんな考え方があるんだけど、一つの分け方としてはだよ、やっぱり人間界って性器のチャクラなんです。結局性欲の世界。まあそれはそうだよな。性欲で生まれてきたわけだし。
仏教においては、チベット仏教とかでは、人が死んでいろんな世界に生まれ変わるプロセスが詳しく説かれてるんだけど、人が死んで人間に生まれるプロセスね、これをちょっと説明すると、我々が死後の世界、まあバルドっていわれる死後の世界で、形もなくグニャグニャーって動いてる。で、だいたい人間に生まれるパターンの人っていうのは、人情とか、異性に対する、――まあ異性だけじゃないんだけど、特に異性に対する執着が強い。で、何が起きるかっていうと、自分の習性によってね、自分の本当に好きなタイプの、――たとえばU君だったら上戸彩さんみたいな。
(一同)笑
上戸彩さんみたいなタイプの――これはちょっとリアルに言うけどね――上戸彩さんみたいなタイプの女性が真っ裸で現われます。で、その時のU君の意識っていうのは、今のU君は結構表層を飾ってるから、それが現われたとしても、「おっ、何ですかそれは?」とか言うだろうけど、もう死後の世界は潜在意識だから、全部もう表層の、なんていうかな、偽りはないから。もう心の奥の思いだけがある。だからそんなのが現われたら、「うおー!」とか言って飛び込んでく(笑)。で、飛び込もうとしたら、その自分の超好みの女性が違う男とセックスをしてる。そういう場面が見えるんです。で、ここでU君の意識はものすごく乱されます。なぜかっていうと、その上戸彩さんみたいな人に対するすごい性欲と、それから愛情欲求と、それからその相手に対する嫉妬。この超愛着と超嫉妬というものすごいエネルギーに巻き込まれて、うわーってその上戸彩さんの子宮に入ります。これが受精なんです。で、その子供として生まれるんです。よって・・・
(U)父親への嫉妬で生まれてきたんですか。
そう。
よって男の子は、まあ心理学でもよく言われるんだけど、男の子にとって母親は恋人。父親はライバル。女の子は逆だ。もちろんそのね、生まれてからの過程でまた関係は変わるけども、生まれた瞬間はそうなんです。
(U)あ、それはもう例外なくそうなんですか。
修行者とか菩薩の場合は、意図的に生まれてくる場合があるので、その場合は例外だけどね。でも普通の人間転生は、だいたいそうです。
だから、心理学でも言うけども、基本的には男は全員マザコンなんです。基本的には女性は全員ファザコンなんです。こういうこと言うとたぶん、ここにいる人たちは、まあKさんとかは、いや、そんなことないって言うかもしれないけど。
(一同)笑
(K)ええ、嫌だあって思っちゃう。
それは育つ過程で嫌だと思うようになったんであって、……その瞬間はそれで飛び込んで行きます。だからあまり育つ過程で心が変わらずにずーっと来てる人っていうのは、マザコンだったりファザコンだったりする。で、逆に、私ね、いろいろ親子とか見てると、これは反論あるかもしれないけど、けっこうやっぱりね、客観的に見るとだよ、特に女性の場合、お母さんと娘って結構ライバルだったりすることが多い。なんかこう戦ってるように私は見えるんだけど。それは人によるかもしれないけど。なんかそういう感覚があるね。お父さんを取り合ってるかどうかは別にして。
当然そうじゃなくて生まれて育つ過程でプライドが出たりとか、本当はお父さん好きで生まれてきたんだけど、ちょっと嫌なとこ見ちゃったり、怒られたりして嫌いになったりとか、いろいろある。でも結局、人間界っていうのはそういう意味で言ったら、愛着と嫉妬の世界なんです。それで生まれてるからしょうがないんだね。この世が愛着と嫉妬で満ちてる。
だから話を戻すと、それで来てるから、人間界自体がもうここ(スワーディシュターナ・チャクラ)の世界なんです。ここにこうエネルギーが溜まるような世界なんです。
でも逆に言うと、それよりもっと下に行ってる人、すごく憎しみが強い人。これはもう人間以下っていうことになる。この世は愛着と嫉妬の世界なんだけど、そうじゃなくて、憎しみで生きてる人。もうあいつ嫌い、あいつ嫌い、あいつ嫌い。――これはもうある意味かわいそうっていうか。ちょっと人間の姿をしてるけども、人間より低い意識状態だから、明らかに本人も幸せじゃないし、死んだ後もたぶん低い世界に落ちてしまう。
人間界っていうのはちょっと、何度も言ってるけども、一番ジャンプアップしやすい世界と言われている。一番その……なんていうかな、真面目に修行しやすいんだね。これはちょっとあんまり突っ込むと長くなるから、簡単に言うけども――『入菩提行論』の解説にも書いたけどもね。地獄ほど苦しくない。動物ほどバカじゃない。餓鬼ほど飢えてない。で、天界ほど楽しくない。だから修行がすごくできるようになる。つまりその……なんていうかな、ある程度知性があって、ある程度暇があって、でもそんなに楽しくない。修行するしかねえか、ぐらいの感じになってくる。だから人間界っていうのは低い世界であるけども、修行には非常にいい世界だね。