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「私が見たブラフマーナンダ」より「我が師」(3)

 今から、少し私の過去のことをお話しすることをお許しください。
 
私が十四歳のとき、私は初めて『ラーマクリシュナの福音』を紹介していただきました。
 
当時、この本を読んだときには、その内容を理解することができませんでした。とはいっても、今日でさえ内容を理解できているかどうかは定かではありませんが。

 しかし、初めてこの本を読んだとき、ナレンとラカールという二つの名前が、 私を強烈に魅了しました。

私はナレンとラカールについて述べられているくだりを何度も繰り返して読みました。
 
そして、ナレン(後のヴィヴェーカーナンダ)が亡くなっていたことを知り、ただ本を読んでいるにすぎず、まだ実際にお会いしていないうちから、自然と
ラカール(後のブラフマーナンダ)が、わたしがただ一人敬愛するお方となりました。

 そして私が十五歳のとき、ベルル・マトを訪問する機会に恵まれましたが、その当時、スワミ・ブラフマーナンダはそこにはいらっしゃいませんでした。
 私はシュリー・ラーマクリシュナの直弟子の一人のスワミ・アドワイターナンダにお会いしました。彼はとても年老いていて、杖に寄りかかり、髭を剃っておらず、白髪で、白いあご髭をたくわえていました。
私はまだ子供だったので、彼のことを少し怖く感じました。

 
 その後、十六歳になって高校を卒業し、大学に通うためにカルカッタに行きました。
 
 そして一年が過ぎました。
 
 私はマハラジがカルカッタに来られて、バララーム・バーブの家に滞在されていると知りました。
そこでわたしは彼を訪ねに行きましたが、大勢の人で混雑しているのを見て、その場から離れてしまいました。
 
 私は彼がベルル・マトに来られる時を待ち、平日に彼に会いに行きました。
 
 そのときは以前のような混雑はなく、私は二階のベランダに座っているマハラジを見つけました。
 それは朝の十時頃のことでした。
 彼は一人で、スワミ・ヴィヴェーカーナンダが住んでいた部屋の前にいらっしゃいました。 
 そのスワミジの部屋は、まだ何も触られてはおらずにそのままの状態でした。
 
 私はすぐにマハラジの所へ行く勇気がなく、心の中で、「えっと、そこの角のところに行けば、 スワミジの部屋を見ることができるな。誰も文句を言う人はいないだろう」と考えて、そこでスワミジの部屋を見るふりをしていましたが、本当はマハラジのことを見ていたのでした。
 

するとそのとき、彼がわたしにこう呼びかけられました。

「こっちにおいで!」

 

これはわたしにとって、彼にかけていただいた初めての一言でした。

 
そのときは冬で、彼が栗色の靴下をはいていたのを覚えています。
 
 
彼は

「申し訳ないが、私の靴下を脱がして、これを日向に置いてもらえないかね」

とおっしゃいました。
 

わたしは彼の御足に触れたいと願っていたので、マハラジはそのような機会をお与えくださったのでした。
 
 
そして彼は、

「以前、どこかで会ったことがあったかな?」

とおっしゃいました。

 私は、

「いいえ、マハラジ」

と答えました。
 

するとそのとき、私は今までの人生において感じたことのない“何か”を感じました。

 マハラジという存在が、完全に私を満たしてくださいました。
完全に満たされたと言うほかに、これを表現する言葉がありません。

 彼は私に、マッサージのやり方を知っているかとお尋ねになりました。
 
私が「はい」と答えると、彼は、私に足のマッサージをする機会を与えてくださいました。

 これが私のマハラジとの初めての出会いでした。

 その後、時々、わたしは彼に会いに行くようになりました。

 私はマハラジに、宗教や霊的生活について話したり、質問することはありませんでした。

 マハラジが昼食の後、部屋でお休みなっているところへ、わたしはゆっくりとドアを開けて部屋に入り、彼の足をマッサージし始めるのでした。
 

わたしの年上の友人で、学校の教師でもあるシャラト・センは、わたしがマハラジと知り合いであることを知っており、もしよければマハラジを紹介してくれないかとわたしに頼んできました。
 
われわれは二人でマハラジに会いに行き、友人は霊性の教えをいただきたいとお願いし、彼の御足に礼拝しました。マハラジはすぐに同意してくださいました。
 
その間、わたしも同席して、マハラジが友人にご教示くださったことをすべて聞いていました。

するとマハラジは私の方を見て、

「君は何か教えてほしいことはないのかね?」

と言ってくださいました。

 

 私は、「いいえ! ございません。」

と答えました。

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