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「特別の加行」


2008.11.09 解説・ナーローの六ヨーガ③

◎特別の加行

 はい。今日はちょっと特殊な感じですが、まあ教えというより瞑想法のところに入るので、瞑想法の説明と、みんなでちょっと実際に瞑想してみたいと思います。

 だから教えというよりも、瞑想の説明みたいな感じに今回はなっちゃうと思います。

 はい。まだこれは、ナーローの六ヨーガというその修行法の本体にまだ入ってないですね。その準備的な修行の話をずーっとしてて、今日はその特別の加行というところに入ります。この特別の加行っていうのはつまり、その前に一般の加行というのがあって――加行っていうのは準備的な修行のことですが。つまり一般と特別の違いは、まあ簡単な言い方するとね、密教とそれから一般的な修行というのがあって、一般の加行っていうのは、密教であろうと一般の修行であろうと必ずやる修行ね、これが一般の加行です。特別の加行っていうのは、まあ一般的な修行では必要がない。しかし密教の道に入る場合は、これもやらなきゃいけないよっていうのが特別の加行ですね。それが今日学ぶところですね。

【本文】
☆特別の加行

一般に最高の加行は、パーラミターヤーナとマントラヤーナの共通の道を修習することと、正しいアビシェーカを授かることと、根本と支分の諸々のサマヤを正しく遵守することであるから、それに対して確信を得るべきである。

 そしてさらにマントラヤーナの特別の加行として、グルヨーガと、ヴァジュラサットヴァの瞑想と念誦と、マンダラをささげること等がある。

 諸々のグルの伝統では、それらは大きく二つのプロセスに分けることができる。
 ①罪と障害を浄めるためにヴァジュラサットヴァの瞑想と念誦をすることと、
 ②祝福を受けるためにグルヨーガを修習して、供養することである。

 まず、今言ったように、ここでパーラミターヤーナとマントラヤーナって書いてありますが、パーラミターヤーナっていうのが一般的な大乗の修行ね。で、マントラヤーナっていうのが密教的な大乗の修行ですね。それに共通する道をまず修習し、そして正しいアビシェーカ――アビシェーカっていうのは入門の儀式だね、それを受け、根本と支分の諸々のサマヤ――つまり戒律のことですね。しっかりと戒律を守ると。それがまず基礎的な段階になりますよと。

 その後、本格的にマントラヤーナ、つまり密教の道に入るには、実際はさまざまな加行があるんだね。これは流派によっても違うし、師匠によってもいろいろ説き方が違います。例えば『虹の階梯』なんかにもいろんな、例えばチューの瞑想であるとかも含めた密教の加行が載ってますが、この経典の中では、非常にシンプルに二つに分けてるわけですね。それはヴァジュラサットヴァの瞑想と、それからグルヨーガと。

 このグルヨーガっていうのも、ちょっと後で出てきますが、実際にはいろんなプロセスがあるんですが、ここでは非常に簡単なグルの観想と――グルって師匠ね――師匠の観想と、それからみんなもやったことある人はいると思いますが、曼荼羅供養ね、曼荼羅供養の瞑想。この辺が、このシステムではね、出てきます。

 もう一回言うと、まずヴァジュラサットヴァの瞑想。そして師匠・グルを観想する瞑想。そして、そのグルに対する曼荼羅供養。これがここで説かれる密教の加行ね。

 さっきも言ったように、もっと多い場合もあります。それは体系によっていろいろ違うんだね。それはいろんな体系があるので別にどれが正しいとかじゃない。だからこの体系の説き方は、まあいろいろある中では結構シンプルな方だね。非常にシンプルな形で、密教の加行がまとめられています。

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