サーダナーの指針の花輪(661~670)
661.
友と敵と中立からなるこの世界は、無明に起因する心の妄想である。
熟睡中は、世界はない。――これは、心があるときにだけ世界があるということを示している。
もしあなたが精神集中とサマーディによって、心を意識的に破壊することができるならば、そのとき、世界は消える。
662.
けがれた心は、無数の出生を引き起こす巧妙な欲望のことである。
心が対象への欲望から解放されるとき、そして真我の中で安らぐとき、世界はすべて消え去る。
感覚の対象について思いを巡らす傾向は、実に輪廻への束縛の原因である。
解放とは、ただけがれた心の破壊のことである。
欲望が絶滅するとき、心は純粋になる。
663.
この宇宙とすべての対象物の土台は、心の中にある。
それらは、心を離れては存在しない。
執着と感覚意識の放棄は、低級の心を破壊してくれる。
心の寂静は、永続する真の幸福を修行者にもたらす。
664.
心が純粋であり、散乱することがないならば、あなたは心の中に、そして至るところに、至高の真我を見る。
665.
自己の低級の心の本能を支配することは、この輪廻の海を渡るための舟である。
666.
心には、一瞬にして全世界を構築したり消し去ったりする力がある。
667.
決して心を欲望に毒されるままにしておくことなく、感覚の通路から離れなさい。
もし心と結びつくことがなければ、感覚は独立では何もすることができない。
世界は楽しく美しい。または醜く惨めである。それはまさにただ心が選択をするのである。
668.
もし人が、感覚的対象への欲望、執着と嫌悪、エゴイズム、怒り、所有欲、プライドなどから自由になっているならば、彼は心の破壊についての明瞭な理解を得ることができる。
正しい理解は、感覚器官に支配された低い意識を弱めてくれる。
669.
自らの心を征服することによって、人はブラフマンの源へと行くことができる。そして彼は、彼自身の本性であるサチダーナンダを悟ることができる。
心の寂静は、永続する真の幸福を修行者にもたらす。
670.
心の寂静を得た偉大なる魂が持つ至福の喜びは、たとえ全世界の富と欲楽を合わせても比較にならない。