アシュターヴァクラ・ギーター 第九章 無執着
第九章 無執着
こちらは見て
あちらは無視する。
ひとつのことを
別のことに対立させる。
こういうことから自由な人はいるのだろうか?
いつになったら、それらから自由になれるのだろう?
よく考えてみなさい。
情に流されず
執着せず
手放しなさい。
わが子よ、
人間のありさまを観察し
快楽と知識への欲望
そして人生そのものへの欲望を
放棄した人は稀だ。
彼は祝福されたのだ。
何ひとつ存続しない。
何ひとつ実在ではない。
すべては苦しみ。
果てのない三重苦だ!
まったく何の価値もない。
これを知りなさい。
すべてをあきらめなさい。
そして静かに在りなさい。
人間はいったい、いつになったら
ひとつのことを別のことに対立させるのをやめるのか?
あらゆる対立を棄て去りなさい。
何が起ころうと幸せでありなさい。
そして、あなた自身を満たしなさい。
師や聖者や探求者たち
彼らはみな違ったことを言う。
誰であれ、これを知る人は
無執着とともに、静かになる。
真の師は冷静に考え
すべてはひとつだと見なす。
彼はものごとの本性
覚醒の本質を理解したのだ。
彼がふたたび輪廻することはない。
変化するものごとの中に
それらの純粋な姿だけを見なさい。
自己の本性の内にとどまりなさい。
あなた自身を解き放ちなさい。
世界は偽りの印象の集まりにすぎない。
あきらめなさい。
幻を手放しなさい。
世界を放棄しなさい。
そして自由に生きるのだ。
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