yoga school kailas

「壊れた壷の歌」

わたしは、煮たイラクサの入った壷を持って、洞窟を出て歩いた。
しかし長い瞑想中の栄養不足によって体は弱っていて、
足の裏は硬くなってひび割れができていた。
そのため洞窟の外のでこぼこ道で躓き、倒れた。

壷の取っ手が壊れ、掴まえようとしたけれども、
壷は斜面を転がった。
走って行って止めた。
その壊れた壷の中から、完全な緑の型が転がり出てきた。
それは壷の形のままに、イラクサ汁の湯垢が固まってできたものだった。

形成されているすべてのものは無常であるという考えが、鮮明に心に印象付けられた。
これもまた瞑想の材料であると理解すると、すべての出来事が非常にすばらしいのを感じた。

わたしは壷を持っていると同時に、それを持っていなかった。
この出来事は、諸々の事象は無常であるという、普遍的法則を示している。
特にそれは、人間の状態を示している。
もしそうであるなら、わたし、隠遁者ミラレーパは、
怠惰でなく、瞑想に精進しよう。
壷はわたしの唯一の富
それは壊れた瞬間に、我が教師となった。
諸々の事象の生来的無常性というこの教訓は、
本当に驚くべきことである。

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