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今日の修行 慈悲の瞑想


 今回の一連の災害で、直接の被災者ではない人たちも、想像以上に、実体のない不安にさいなまれている人が多いようです。

 飛び交う様々な肯定的・否定的情報は、もちろんそれぞれが各自の責任で判断したらいいと思いますが、
 そのベースとして、安定した精神とプラーナの状態を取り戻すのが先決です。
 すでにヨーガや仏教の修行をされている方は、師から頂いた修行などを、いつも通り淡々とこなすのが良いでしょうが、そうではない方のために、我々のヨーガ教室で教えている、簡単にできる修行や瞑想法をご紹介していこうと思います。

 まず今夕は「慈悲の瞑想」などをしてみてはいかがでしょうか。

◎慈悲の瞑想

プロセスその1

①目の前に、もう一人の自分をイメージする。
 この自分は、過去の失敗、それを悔む自分、さまざまな苦しみ、他人への憎しみ、嫉妬、愚痴など、さまざまな自分のネガティブな要素を一身に背負った自分である。

②一方、こちら側の自分は、肯定的意識、他者への慈愛など、ポジティブな要素、神聖・清浄な要素をすべて受け持った自分である。

③自分の呼吸に意識を集中する。

④自分が息を吸うたびに、目の前にいるネガティブな自分の、さまざまな悪しき要素を、黒いエネルギーとして、こちら側の清浄な自分が吸い取るイメージをする。

⑤息を吐くときには、清浄な自分から、ネガティブな自分に対して、許し、癒し、愛、幸福のエネルギーが、白い光となって、呼吸と共に注がれるとイメージする。

⑥それによって目の前のネガティブな自分は、どんどん浄化され、幸福になっていくとイメージする。
 こちら側の自分も、けがれることはなく、よりいっそう透明で清浄になっていく。

プロセスその2

①自分が愛する人を誰か一人選んで、目の前にイメージする。

②その愛する一人の人が、なんらかのかたちで非常に苦しんでいる様子をイメージする。

③愛する人が苦しんでいるのを見て、自分の心の中に、強い慈悲の心を生起させる。

④自分の呼吸に意識を集中する。

⑤自分が息を吸うたびに、目の前の愛する人の苦しみが、黒いエネルギーとなって、呼吸と共に自分の中に吸収されることをイメージする。

⑥自分が息を吐くたびに、自分の中の幸福のエネルギーが、白いエネルギーとなって、呼吸と共に相手に注がれることをイメージする。

⑦呼吸と共にこのイメージを繰り返すことで、目の前の愛する人は、苦しみから解放され、どんどん幸福になっていくことをイメージする。

⑧自分自身は、苦しみの黒いエネルギーを吸い込んでも、それによってけがれることはない。逆に、これによって自分のエゴが破壊され、純粋で透明な状態になっていくとイメージする。

プロセスその3

①プロセスその2を繰り返しながら、「愛する人」の人数を増やしていく。彼らすべてに、同様のイメージを繰り返す。この段階ではまだ「愛する人」だけでいい。

プロセスその4

①プロセスその3を繰り返しながら、目の前の人々の中に、「好きでも嫌いでもない人」を入れていく。彼らにもまた、分け隔てなく、同様のイメージを繰り返す。

プロセスその5

①プロセスその4を繰り返しながら、目の前の人々の中に、「嫌いな人」を入れていく。もし嫌いな人がいなかったら、苦手な人や、過去にいやな思いをさせられた人など、要するにネガティブなイメージを抱きがちな人を入れていく。彼らにもまた、分け隔てなく、同様のイメージを繰り返す。

プロセスその6

①目の前に、自分の想像できる限りの、この宇宙のすべての衆生をイメージする。

②息を吸うたびに、この宇宙の苦しみをすべて自分が引き受けるような気持ちで、黒いエネルギーを吸い取るイメージをする。

③息を吐くたびに、自分の中の幸福をすべてこの世界に差し出すような気持ちで、白いエネルギーを吐きだすイメージをする。

④この繰り返しにより、すべての衆生はどんどん幸福になり、苦しみから解放されていくとイメージする。また、自分自身はよりいっそうエゴが破壊され、純粋・透明な状態になっていくとイメージする。

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