パドマサンバヴァの秘密の教え(47)「八つの事実」
◎八つの事実
師パドマはこう仰った。
「ダルマを修行できるすべての人には、八つの事実がある。」
ツォギャルは尋ねた。
「その八つの事実とは何なのでしょうか?」
師はこうお説きになった。
「一.仏陀の教えが存在している時に人間の身体を得たなら、それはその人が過去生において功徳を集積したという事実がある。
二.ダルマに興味を持っている人と、口頭の教えを授けることができる師が出会うということは、それは盲人が偶然、如意宝珠を見つけたかのようであるという事実がある。
三.完全な人間の身体を得て、ダルマへの信と、ダルマを理解できる知性を持っているなら、それは前生で修行していたカルマの続きが目覚めたという事実がある。
四.乞食に出会ったなら、それは布施の修行をするべきときがやってきたという事実がある。
五.精神修養に励んでいるときに、あふれるような悲しみの出来事が起きたなら、それは悪いカルマと無明が浄化されているという事実がある。
六.心をダルマに向けているときに、誰かから理不尽な敵意を向けられたなら、それは忍耐の道に導くガイドであるという事実がある。
七.この世の無常を理解し、完全な信仰心をもっているときに、深遠な教えを授けられたなら、それはあなたの心を世俗的生活から離す時が来たという事実がある。
八.誰か他人の死を知り、あなたの中に死への恐怖が生じたとき、それは特別な信が生起するときが来たとういう事実がある。
いずれにせよ、もし、まずは世俗的な成功を達成し、その後にダルマの修行に取り組もう、と考えている人がいるとしたら、それは驚きである! しかしそのような人が非常に多いがゆえに、輪廻から実際に解脱できる人はほとんどいないのだ。」
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