パドマサンバヴァの秘密の教え(24)「秘密の帰依の保護と長所」
◎秘密の帰依の保護と長所
ツォギャルは、ニルマーナカーヤの師にこう尋ねた。
「『秘密の帰依』は、どのような方法で保護するのですか?
そしてどのような長所を授けられるのですか?」
師パドマはこうお答えになった。
「見解に帰依することで、現実主義と虚無主義の両方から保護されるだろう。
誤った見解および観念の妨害は取り除かれ、光輝くダルマターの集積は完成され、身口意の不断のシッディに到達するであろう。
瞑想に帰依することで、見解はさらに瞑想を保護するだろう。
根深い愛著、習慣的性向の障害が取り除かれ、非二元の悟りは蓄積され、そして秘密と原初の解脱のシッディに到達するだろう。
行為に帰依することで、正道を外れた行為、ニヒリズムの見解から保護さるだろう。
偽善と愚行の障害は取り除かれ、雑踏の中の無執着の集積は完成され、悟りへの経験を積んだことすべてを回向するシッディに到達するだろう。」
◎秘密の帰依の具体的な実践
ツォギャルは師パドマにこう尋ねた。
「『秘密の帰依』の具体的な実践は何でしょうか?」
師はこうお答えになった。
「見解は、自然な安らぎの中で、渇愛、不平等と極端を持つことから解放されるべきである。
瞑想とは、具体性や対象に固執することから解放されるべきである。
それは、どんな言葉でも表現することはできない。
すなわち、心を外へ向けておいてはいけない。心を内へ集中してはいけない。対象から解放された自然性の中であるがままにさせよ。
歩くとき、動き回るとき、横になるとき、座るときの絶え間ない経験の状態の中で、迷わされることなくあるがままであれ。
満足感、高揚感、あるいは空の感覚、至福感、明瞭感などは、すべて一時的な経験である。
それらは素晴らしいものと見なされるべきではない。
興奮、不明瞭、無気力等の心の状態が生じるときに、修行としてこれらの経験を使いなさい。
これらのすべては、欠陥として見なしてはいけない。」
◎秘密の帰依における誓い
ツォギャルはこう尋ねた。
「『秘密の帰依』における誓いを立てる方法とは何でしょうか?」
師はこうお答えになった。
「グルに礼拝し、グルの周りを回り、花を供養しなさい。
そして弟子は脚を組んだ姿勢をとり、慈悲によって、自他のために菩提心を養う誓いを立てるべきである。
それから、視線を動かさずに空間を凝視し、知覚と知覚の対象という固執から解放された、生き生きとし、覚醒し、光り輝き、すべてに広がる意識を、ありのままにあらせよ。
それはそれ自体が、確信を有する見解、経験を有する瞑想、交わりを有する行為である!
したがって、それは指摘されるべきである。
このように瞑想しなさい。
これが、『秘密の帰依』の説明である。」
最後に、ニルマーナカーヤの師パドマは次のようにおっしゃった。
「これが、一つの根の中に凝縮された、帰依の外、内、秘密の教え、高低の見解、そしてマントラヤーナとパーラミタ―ヤーナの手段についてのわたしの口頭の教えである。
あなたがそれに従って適用するならば、ダルマの実践へと向かい、ダルマの実践は道になり、あなたの道は成就するだろう。
カルチェンの王女よ、そのようにこれを理解すべきである。」
この教えは、道として帰依を修習することを達成させるであろう。
秘密にせよ。
封印せよ、封印せよ、封印せよ。
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