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9月24日 勉強会 修行の基礎 「修行を進める5つの要素」より抜粋

ヨーガスクール・カイラス 勉強会

9月24日 勉強会 修行の基礎 「修行を進める5つの要素」より抜粋

※いずれ全文をまとめて本にする予定ですので、ご期待ください。

◎アーサナの有効性

 まず、修行における様々な要素、行なわなければならないことがあります。
 いつも言っているように、現代においては私は、あらゆるタイプの方向性から攻めた方がいいと思っているのですが、例えば--それは挙げていくともうキリがないけどね--まず皆さんが、肉体的な詰まりが非常に多い場合、特に現代みたいに、多くの人と接して仕事をするとか、あるいは電車で移動しようと思うだけで、いろんな人と接してエネルギーを受けて、体がちょっと詰まってしまうような場合っていうのは、やはりアーサナが非常に有効になってきます。
 あるいは皆さんが修行の初期段階で、例えば蓮華座すら組めないと。まあ、現代のいろいろな、禅とか瞑想教室とかでは、別に蓮華座じゃなくても、あぐらでいいですよとか、正座でもいいですよとか言うけども、実際は、蓮華座がしっかり組めるか組めないかでは瞑想の効果が全く違ってきます。だから蓮華座を組めるように、アーサナが必要だと。
 元々、ヨーガにおけるアーサナの狙いは、一番最初は蓮華座のためだったって言われますね。つまり座法がしっかり組めるようになるために、アーサナが発達したと。
 もちろんそこからどんどん発展していって、いろんな意味で、心身にいい影響を与えるアーサナが考え出されていったわけだけど、最初は座法のためだったんですね。
 で、ぶっちゃけて言ってしまえば、蓮華座が組めるんならアーサナいらないと言ってもいいくらいのものなんだけど(笑)、ただし最初にも言ったように、現代においてはやはりちょっと、それ以外の肉体的汚れっていうのもかなり日々多過ぎるので、アーサナもやった方がいいかもしれないね。特に、蓮華座がしっかり組めない人っていうのは、アーサナをしっかりやった方がいいかもしれない。

◎気功

 はい、そしてそれと同じような方向性で、気功があります。気功というのは、「中国アーサナ」と言っていい。つまり狙いが全く同じです。つまり肉体面からしっかり気を通していきましょうと。
 ただし、気功の方がちょっと高度ですね。だから、万人に通じる方はアーサナです。だから、そこら辺の人を連れてきてアーサナやらせたら、多分、まあ、だいたいの人が「気持ちいい」って言うと思う。まあ、それだけ効果があるわけだね。
 で、気功は、例えばその辺の人を連れてきてやらせても、ただ痛いとかね、苦しいで終わってしまうかもしれない。だから効果を出すには若干、素養がいるというか。だからアーサナと気功、ここでもやっているように、アーサナやってたまに気功をやるとかいう感じでやると、相乗的にいい効果があると思いますね。

◎プラーナーヤーマ

 それから、もうちょっとアーサナよりも内面的になって、肉体というよりも呼吸そのもの、あるいはプラーナの動きね、気の流れそのものを、しっかり整えたいっていう場合、プラーナーヤーマが必要になってきます。呼吸法、様々な呼吸法ね。
 で、その呼吸法もここで教えているように、いろんなタイプがありますが、いつも言っているように、どれをやってもいいです。どれをやってもいいのですが、もし皆さんの中に、何か特徴的な引っ掛かりがある場合は、選んでもいい。

◎バストリカー・プラーナーヤーマ

 例えば、一番人気のあるバストリカーっていう呼吸法は、胸の気道をしっかり通してくれます。自分はちょっと胸が詰まっていると--胸が詰まっているっていうのは例えば、非常に情緒的な意味で苦しんでいるとか、あるいは、なんかよく分からないけど胸が苦しいとか、あるいは、プライドが非常に出てて困っているとか、そういう人にはバストリカーって非常に有効的ですね。
 あるいはバストリカーは、生命力自体も非常に強めるので、生命力が弱くて強めたいっていう場合はバストリカーが有効だし、あるいは痩せたい人、これもバストリカーが有効です。
 分かると思うけど、バストリカーをずっとやっていると、バーッて熱くなってきて、汗がバーッて出てくる。つまり非常にカロリー消費の率が高い呼吸法なんだね。バストリカーって元々ふいご式呼吸法って言われてて、呼吸自体が--ふいごって知ってるよね。蛇腹(じゃばら)みたいになっていて、シュッシュッてやると空気がシュッシュッてこう出て、それで火を燃やすための空気を送り--まあ、これはお腹の動きがふいごみたいだからふいご式なんだけども、結果論としても、それによって火がバーッと燃えるわけですね。体の内側の熱がバーッと燃えていくと。
 だから、痩せたいとか、生命力を強めたいとか、胸をしっかり浄化したい人にはバストリカーがいいだろうね。

◎ブラーマリー・プラーナーヤーマ

 それからブラーマリー・プラーナーヤーマ。あれは、非常に我々の精神を落ちつけてくれる効果があります。で、あれのいいところは、初心者から上級者まで、非常に、誰にとってもいいんだね。
 初心者があれを行なった場合、心の凄く浮つきやすい部分が静まってきます。だから精神的にぶれがある人とか、あるいは神経的にちょっと疲れている人とか、ノイローゼの人とかも、ブラーマリーは非常にいいですね。
 で、上級者にとってもあれは、元々瞑想ができる人であっても、ブラーマリーによって、もっと深い瞑想に入れるようになってきます。
 バストリカーはちょっとエネルギーアップ的だけども、ブラーマリーは深い意識に入れるようになっています。

◎ウジャーイー・プラーナーヤーマ

 ウジャーイー。あれも深い意識に入る系の修行ですが、あれは同時にエネルギーも非常に強めます。あれもやってて分かると思うけど、体が熱くなってくる。だからあれはエネルギーを強め、かつ深い意識に入る準備を整えると。

◎スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ

 で、スカ・プールヴァカ。これはもう、全ての基礎って感じだね。だからあれは、あれ自体が何か特徴があるというよりは、あれをしっかりと抑えておけば、他の呼吸法をやる時にもその基礎がしっかりできているから、効果も高まるだろうと。そういう感じで、呼吸法も、その人のいろんな状況に合わせて、選んでいくことができます。

◎ムドラー

 ムドラー。まず、ムドラーの効果っていうのは、いろいろありますね。じゃあT君、何がありますか?

(T) 気を一気にガーッと上げる。

(松川) そうだね。まず、気を上げるというのがあります。これはたまに出る質問なんですが、修行の世界において、例えばヨーガとか、チベット仏教の一部のやり方等では、しっかりと気を上げる方に重点を置かせる。でもそうじゃなくって、気を丹田の方に下げなさいっていう、気を上げてはいけませんよっていうような指導をするところもある。この違いはなんだと。どっちが正しいんだっていう問題がありますが、ここで言っている問題っていうのは二点あるんだと思うんだね。
 まず、アーユルヴェーダでいうところのヴァータ--ヴァータっていうのは、気の流れが不安定なタイプの人なんだね。これは精神病とかになりやすいタイプ。まあ、精神病とかまでいかなくても、いつもこう、心が落ち着かないタイプがあります。このタイプの人っていうのは、もう気の流れ自体が凄く、スーッてスムーズに行かないで、グジャグジャグジャグジャあっちこっちあっちこっち、ちょっと興奮したような感じになってくる。それによって精神状態にも影響を受けて、いつもちょっと落ちつかない感じになってくる。このタイプの人は、当然これを静めなければならない。
 ここでいう静めるという意味は、気を下げるっていう意味ではないんだ。まさに「静める」なんです。その浮ついたものを、滑らかなゆったりとした気の流れに持っていかなきゃならない。こういう意味では、気を静めるとは言えるけども、ただそれは、別に全体のエネルギーを下に下げなさいっていう意味ではない、というところが一つ。これはちゃんと頭に入れておいた方がいいです。

◎スイッチを入れる

 で、もう一つのパターンとしては、丹田に気を集めさせる場合。これは、ヨーガにおいて、尾てい骨や会陰でクンダリニーを燃やすのと同じように、まずここのスイッチを入れようとしているんだね。徹底的にここに気を送り込んで、まずここにスイッチを入れようとしているんです。
 スイッチが入ったらどうなるかっていうと、当然これは、上に上げなきゃいけないんです。このシステムを多分知らないヨーガの指導者とか、あるいは仏教の指導者とかが、多分いっぱいいるんだと思うんです。だからあまり皆さんは、そういうのに惑わされないでいいです。
 つまり順番としてはまず、下、下腹部のエネルギーを覚醒させる。覚醒したらもう、上げるしかないんです。徹底的に上げる。で、上がりきった時に、ここからいっつも言っている、アムリタと呼ばれる甘露が落ちてきます。で、これは下ろしていいです。これは、徹底的に下に下ろすんです。だから、上げるべきものは上げなきゃいけないし、で、徹底的にここに気が集まった時に、今度は下がるものは下がってくる。
 でもこれがね、これが下がるっていうのは、そんじゃそこらの人にはできないんです(笑)。そんじゃそこらのっていうか、しっかり修行をしてないと、これは発生しないわけだね。だから、いきなり例えば普通の人に、あまり修行してない人に対して、気を下げろっていう言い方は、本当はするべきじゃない。

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