3.壺の呼吸法をしながら観想する方法
3.壺の呼吸法をしながら観想する方法
壺の呼吸法を使うならば、チャンダーリーの火の体験を非常に速やかに生じさせることが可能となる。
息を吸うときは、口は使わず鼻から、ゆっくりと、やわらかく吸う。ララナーとラサナーの二つの管を通してプラーナを吸い込み、この二つの管がプラーナでいっぱいになったと観想する。
そしてその二つの管のプラーナが、臍の少し下の、三本の気道の合流点から、中央気道に入ったと観想する。
音を立てずに唾を飲み込み、臍の少し下の所に力を込めながら、息を止める。同時に肛門と性器の筋肉を引き締めて、アパーナ気を引き上げる。
できるだけ長く息をとめた後、息を吐く。この時に、プラーナが臍の下から、中央気道をとおって上に移動すると観想する。しかし、プラーナが頭頂から上に抜けると観想してはいけない。
また、この呼吸法は、食事のすぐ後に行なってはならない。
この呼吸法に熟達してきたら、前に述べたのと同様に、四つのチャクラに四つの種字を観想しながら、壺の呼吸をおこなう。
そして壺の呼吸で息を止めながら、次のような観想を行なう。
へその短いア字の炎を、光明とともに、中央管を上昇させる。
上昇した炎と光明は、上の三つのチャクラの種字を溶かし、溶けた種字は甘露の流れとなって、へその短いア字に滴り落ちる。
へそのチャクラにおいて、チャンダーリーの火と、不死の甘露は一つになり、「サハジャの歓喜」が生じる。そう観想しながら、へそのチャクラに集中する。
さらにその臍の短いア字から光が生じ、再びその光が中央管を上昇し、三つの種字を溶かし、へその短いア字に甘露が滴り落ちる。そしてへそのチャクラに一心に集中して、息を保つのである。
その時に、一点集中によって心が堅固になった時、へその短いア字から生じた光明が、身体の内も外も明るく照らすと観想する。
この観想は、瞑想の体験を明晰にし、速やかにサマーディを完成する手助けとなる。
壺の呼吸法によって息を止めている時間は、最低でも1分半ほどを目指す。
中級においては、三分ほど。
上級においては、四分半ほど止める。
正しいやり方で行なって、楽に四分半、壺の呼吸で息を止められるようになったならば、死を克服するといわれている。