高いところから落ちたときのルン・ゴンパ
以前にも何度か書きましたが、チベット密教の修行法というか修行で現れる一つのシッディのようなもので、ルン・ゴンパというものがあります。
これは風のように早く歩く瞑想ということです。わたしはよく夢の中でこのルン・ゴンパをします。そして若いころの非常にエネルギッシュだったある時期は、現実世界でも少しできていたように思います笑 しかしこれは客観的に誰かから見てもらったわけではないので証明はできないのですが笑
このルン・ゴンパについて、本などに書いている人が何人かいますが、わたしの感覚では、そのどれもちょっと違うような感じがします。ルン・ゴンパを精神的な修行としてとらえている人が多いですが、わたしの感覚ではこれはあくまで物理的なものです。もちろんルン・ゴンパができるほど気の流れを通すためには精神的な修行も不可欠ですが、それは土台の準備であって、ルン・ゴンパそのものは、ナーディ・プラーナ・ビンドゥの修行の達成の一つの現われのようなものだと感じます。
風のように早く歩くといっても、足を素早く動かしたりはしません。ポーンと一歩踏み出したその一歩で、スーッと飛ぶように長い距離を進むということですね。この足の一蹴りで地面すれすれをスーッと進んでいくときの感覚は、独特のものです。もちろん気持ちいいのですが、ぼわっとした気に包まれた飽和状態のような感じです。
夢で空を飛ぶこともよくありますが、これはルン・ゴンパとは少し違います。足ではなく背中にプラーナが集中する感じで、これも気持ちいい飽和状態とともに、凧が気流に乗って浮かび上がるようにして飛んでいきます。これはさすがにまだ現実世界ではできていませんが笑
さて、昨夜も夢でルン・ゴンパをしたのですが、ちょっと面白い経験をしたので書いておきます。ルン・ゴンパは普通はある程度の速いスピードを伴ってスーッと進んでいきますが、あまりスピードを出さずにゆっくりと進むこともできます。今回の夢ではわたしは町中を、あまりスピード出さずにゆっくりとルン・ゴンパで進んでいたのですが、途中、何か遊び場のようなところで小さな丘のようなものがいくつかあり、わたしはルン・ゴンパでその丘と丘の間を飛び跳ねたりしていました。しかしルン・ゴンパは、地面すれすれに浮いて前に進む推進力はありますが、上に高く跳んだりする感じではありません。空を飛ぶときは前述のようにまた違った気の使い方をします。
わたしは丘の高いところからポーンと飛びました。しかし重力によって落ちてしまいます笑。やはりルン・ゴンパはこういうときは役立たない……と思いましたが、墜落して地面に足が着く寸前に、飽和状態のプラーナに守られる感じで、プラーナがふわっとクッションのようになり、怪我することなくそのままルン・ゴンパに移行しました笑 これは初めての経験だったので、勉強になりました笑。まとめますと、
・ルン・ゴンパはあくまで地面すれすれで宙に浮いて前に進んでいくもので、高く飛び上がる力はないが、高いところから落ちたときにルン・ゴンパを使うと、それがクッションとなって守られる。
・空中を自由に飛ぶときとルン・ゴンパでは、プラーナの使い方が違う。