yoga school kailas

解説「菩薩の生き方」第三回(5)

 だから逆に言うと、もう徹底的にその部分を、縁のあるうちにね、ものにしてください。うん。この中で、ね、修行を進めて、あるいは進めてなくても、「苦しい」って人いるでしょう。ね。「苦しいです」と。「つらいです」と。ね。あるいは、ねえ、「修行なかなか進みません」と。だったら、ねえ、この救世主的アイテム、ね、皆さんのその劣勢を一気にひっくり返すものを、もっともっと自分のものにしたらいいと思う。ね。苦しいときこそ菩提心。苦しいときこそバクティヨーガ。ね。なんか標語みたいだけどね(笑)。

(一同笑)

 ね。「苦しいときこそ菩提心!」(笑)。ね。うん。苦しいときこそ、逆に言うとそれを身に付けろと言われてるんだって思ったらいい。うん。身に付けるチャンスなんだと。だって、われわれがのほほんとしてたら、あまりその必要性に気付けないかもしれない。ね。
 わたしもそうだったよ、本当に。なんていうかな、本当に苦しいときとかに菩提心にすがりついて、あるいは神への帰依っていうものにすがりついて、その、まあ偉大性を知るっていうかな。「ああ、やっぱりこれしかないんだ」って感じになる。でも人間ってばかだから、ちょっと調子が良くなると忘れちゃうんだね。うん。だからこういう教えっていうのは本当に、ばかなわれわれに、それを理解するかどうかは別にして、答えを言ってくれてるんです。「これだよ!」と。ね。われわれはばかだからこういう教え学んでも、「あ、そうなんだ」ってページめくっちゃうんだけど(笑)。めくっちゃいけない。ね。「これだよ!」と。ね。「これしかないんだよ!」と。
 何度も言うけどね、これは、またちょっと漫画的に言うと、もうほとんど目覚めることが九十九パーセント不可能な闇の眠りに就いてる皆さんに対しての答えです。答えっていうのは――普通答えっていうのは、トン、トン、トン、トン、トンってたどり着かなきゃいけないんだけど、トン、トン、トン、トン、トンをすっ飛ばして、ブッダが慈愛によって教えてくれてる答えです。「ここだよ!」と。「ここに来い!」と。「ここに集中しろ」と。「ほかのことはどうでもいい」と。言ってみれば。「菩提心だよ!」と。ね。
 それさえあなたがつかめば――だからね、わたしは、ある意味修行っていうのは、やっぱり直観的帰依が大事だと思うんだね。直感的帰依っていうのは、頭が悪くったって別にいい。「これかな?」って思う帰依ね。で、もう一つ、そこに突っ込める誠実さっていうか思いきりの良さ。これは修行に必要です。ちょっと曖昧な言い方してるけどね。だから皆さんがもし菩薩の道とちょっとでも縁があれば、トン、トン、トン、トン、トンじゃなくて、神が、ブッダが、「菩提心大事だよ」って言われたときに、「あ、これかな?」って思えるはずなんです。思えたら、躊躇せずに突っ込んでください。わたしの人生を完璧に菩提心で包み込もうと。百パーセント菩提心にしようと。あるいは菩提心の別パターンのバクティヨーガでもいい。バクティヨーガで表わされる道、あるいは菩提心として表わされる道を、百パーセント自分のものにしよう。
 で、ここで、無智でかまわない。無智でかまわないっていうのは――これはちょっと今わたしね、修行のコツを言ってるんですけど――直感的な理解によって「これかな?」って思ったら、それはチャンスです。完全にチャンスです。突っ込んでください。突っ込むっていうのは、「これかな? よし、行くぞ!」と。ここで何が起こってるのか全くわからない。わからないけども、ここでバーッて出てきたこの教えをひたすらやるぞと。ひたすらつかむぞと。ひたすら修習するぞと。で、それによって目が開けてきます。目が開けてきてやっと全体像がわかってきます。「ああ、助かった!」と。ね。「わたしはこの、まさにその闇の中に降ろされた釣り針のようなこれを、直感によってつかんで良かった!」と。「つかんで、それを昇ってきて良かった!」と。「昇ってなかったらどうなってただろうか」と。それくらいのものなんだね。それが、まとめるけども、菩提心だって考えてください。
 だからこの教えっていうのは、単純な、論理的な、「こうでこうだから菩提心が大事なんですよ」っていうものではない。実のことを言うとね。うん。「これしかないよ! これがキーだよ!」っていうことを、まあ皆さんに、なんていうかな、サービスみたいな感じで明かされてるんですね。
 もちろんこのような教えはこれだけではない。さっき言ったようにバクティなんかまさにそうだね。バクティの教え、そして菩提心の教え、まあほかにもいろいろあるけども。そのようなものっていろいろあるんですね。でもその中でも中心的っていうか、われわれが最もまず心の奥に根付かせなきゃいけないっていうか、根付かせることによってやっとわれわれの目が開きだす教えが、この菩提心だって考えてください。

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