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覚醒の太陽(8)

 これらのパーラミターを、どのようにして心の訓練の実践に組み込んでいけばよいのだろうか。

1.布施のパーラミター

 まず第一に布施の修行は、自分の肉体、所有物、過去・現在・未来の功徳を施捨しないことによって生じるデメリット、それらを施捨することによって生じるメリット、そしてなぜそれらを施捨しなければならないのかなどを思索することに準じて行なわれる。

2.戒のパーラミター

 第二に戒について、(1)戒を遵守するための手段、そして(2)それらによって戒を守る方法を説明しよう。

(1)戒を遵守するための手段

 戒を遵守するための手段は、

 誠実、忠実、入念――受け入れるべきものと避けるべきものを極めて注意深く懸念すること

 正念――修習すべきものと放棄すべきものを忘れないこと

 正智――身口意を絶えずチェックし続けること

である。

(2)それらによって戒を守る方法

 まずは正念を使って、修習すべきものと放棄すべきものを見失わないようにする。
 そうすると、身口意の状態を用心深くチェックしているがゆえに、徳を積む機会を避けようとしてしまいそうになる際や、否定的な行為を行なおうとしている際に、その状況に気付くようになる。
 その際に、誠実・忠実・入念さによって善行の利益を思い起こし、それらに着手する。または、否定的な行為、そして悪行のデメリットを思い起こし、それらを取り除くのである。

 これらすべての根本原因となるのは、カルマの影響に対して確信をもって信じ切っていることあるから、われわれは勝者・仏陀の厳然たる教えに従い、それに対する信を育てるべきである。
 悪行を為せば、それは確実にわれわれを悲惨な状態へと引き入れ、ひとたびそのような不幸な状態に生まれ変わることとなれば、われわれは他者への利益を成し遂げられないだけではなく、自らの有暇をも守護することができないのだと熟考することによって、われわれは輪廻の苦しみに対する心からの確信を生じさせなければならないのだ!

 守らなければならない戒は数多く存在するが、「菩提を願う心」に反する、避けるべき三つの原則がある。
 それは、

 心において衆生を見捨てること
 声聞、独覚の考え方を発展させること
 四つのけがれた修習をすること

である。

 四つのけがれた修習とは、以下の詩の中に述べられている。

 尊敬に値する人を欺くこと
 見当違いのことを後悔すること
 偉大なる存在を批判すること
 凡夫を騙すこと
 ――これら四つのけがれた修習を放棄し、それらとは反対の四つの純粋なダルマを身につけるべし。

 「菩提を願う心」に有益な要因とは、

 完全なる覚醒の果と、その因となる智慧ある行為を心から渇望すること
 他者によって為された一切の善に対して共感して喜ぶこと、心から称賛すること
 他者の完全なる悟りのために、これらの根本的な功徳のすべてを回向すること

である。
 われわれは、これら三つのマハーヤーナの瞑想を肝に銘じなければならない。

 「菩提への前進」に相反する要因について、一般には「人は他者への一切の害心を、その根底から捨て去らなければならない」と言われている。
 また、特に、三宝の財産を盗むこと、菩薩を誹謗中傷すること、ダルマを捨てること、などの最悪の過失とされるものはすべて、まるで自分の命を守るために可能な限りの手段を講ずるが如く、最大限の注意を払って、犯さないようにしなければならない。

 支えとしての要因に関していうと、われわれはほんのささいな善行をもおそろかにしてはならないし、必ずや崇高な指針をもって実践しなければならない。

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